業績低迷の「鳥貴族」と「串カツ田中」が回復の兆し “師弟関係”に異変あり
生産性の高い業態をグループに入れる「串カツ田中」
まず、目に見える動向として「串カツ田中」を展開する串カツ田中HDが2月22日に沖縄の外食企業である「みたのクリエイト」(本社/沖縄県中城村、代表/田野治樹)が展開する「鳥玉」のブランドを譲り受け、沖縄県以外で展開することの提携合意をしたと発表した。串カツ田中HDでは、まずショッピングセンター内やパーキングエリア内での出店を計画し、食物販やレストランタイプの開発も予定して、直営とFCの二軸で全国展開(沖縄県以外)を実施するという。
「鳥玉」は2016年5月に沖縄本島の中城村に1号店を出店。筆者はできたばかりの5月末に同店を訪ねている。「鳥と卵の専門店」というサブタイトルがついているが、その通りに鶏肉と卵を食材とした飲食店である。なぜこの食材を選んだのか、代表の田野治樹氏に聞いたところ「宗教の枠にとらわれず、唯一世界中で食べられている食材だから」という。
現在看板メニューとなっている「ごろごろたまごたっぷり黄金タルタルのチキン南蛮」は単品で680円(税込、以下同)、定食(ご飯、スープ、漬け物付き)で880円となっている。
筆者が4年前に食べたのは写真の「鳥玉定食」で550円。200gの鶏肉と大振りの玉子焼きがついていた。「鶏肉と卵を使用している」ということで簡素な料理を想像しがちであるが、表現方法はとてもユニークだ。前出のネーミングに「ごろごろたまごたっぷり黄金タルタル」とある通りに、タルタルソースの中の玉子を細かく刻まないで、おおざっぱに入れてある。この食感が新鮮であった。玉子焼きは一つ一つ店内で丁寧に焼いていて、その熱々の感覚に感心した。ほかのメニューも全て店内で調理している。当時の550円メニューで「原価率は理論上26%」(田野氏)ということだった。
現在のメニューは、前述のほかに「EM琉球卵の奇跡のたまご巻き定食」750円、「柔らか塩水鳥半身のガーリック丸焼き定食」980円、また親子丼、チーズオムライスの品揃えをアピールしており、例として「EM琉球卵4種チーズ親子丼」(定食980円)、「卵とろとろ4種チーズオムライスWソース」(定食980円)となっていて、この業態を開発した当時と同様に利益率は高いものと思われる。
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