“コロナばらまくぞ男”のせいで蒲郡市民は騒然! 市役所は店名非公表で抗議電話殺到
「コロナウイルスをばらまく」と宣言
50代の男が街に繰り出したため、蒲郡市では大騒動になっていたのだ。しかも男は「コロナウイルスをばらまく」と吹聴していたのだ。
中日新聞(電子版)は3月6日、「愛知・蒲郡市の感染男性『駅前でコロナウイルスばらまく』 飲食店に行く前」と報じた。
《五十代の男性が、検査で陽性と分かった直後、家族らに「今から駅前でコロナウイルスをばらまく」と話していたことが、関係者への取材で分かった》
男は家族だけではなく、訪れた店でも同じ内容の発言をしていたようだ。TBS系列のCBCテレビ(電子版)は3月6日、「『コロナ菌をお前らにうつしてやる』感染者が飲食店へ 愛知・蒲郡市」の記事を配信した。
記事は《愛知県蒲郡市では、感染者の驚きの行動が明らかになりました》と記述し、以下のような証言を伝えた。
《「(店のオーナーから聞いた話で)客が『コロナ菌をお前らにうつしてやる』って言っていた。お店の代表者がオーナーに相談して、ちょっと危ないから警察に来てもらった」(感染した男性が訪れた飲食店オーナーの知人)》
さらに記事は「関係者」の証言として、《男性は店内で、「自分は陽性だ」と話した上で、周囲に、「うつしてやる」という趣旨の発言》とある。また男が訪れた飲食店を「2店舗」だとした。
実はツイッターなどでは、「男は酔っ払い蒲郡駅前で『コロナウイルスばら撒くぞ』などと大騒ぎしていた」という情報も拡散している。
ネット上の情報は捏造も多い。このツイートも信憑性を疑うべきだろう。しかし、中日新聞とCBCの報道を踏まえると、「本当のことだったのではないだろうか」と思ってしまうというものだ。
蒲郡市の担当者が言及した「防護服に関するツイート」だが、今でも強烈な写真が拡散を続けている。ネットの状況を取材した記者が言う。
「写真は『愛知県警察』と書かれた防護服に身を包んだ2人が、飲食店の前で作業しているところを映したものです。最初に写真をアップしたと思われるツイートでは、テレビ朝日とフジテレビの報道局が取材申請を申し込んだ書き込みも閲覧できます」
3月4日から「感染者の居住地はどこなのか情報がほしい」という要望と、「蒲郡駅でコロナ感染を疑わせる動きがある」という情報がSNS上で拡散を続けていった。
これを把握していた蒲郡市役所は翌5日、対策会議を開催した。そして会見を開き、マスコミに向けて独自に情報を発信することを決めたという。
「会見の実施を決断したのは、市民や県民の皆さまに安心してほしいというメッセージを伝えるためでした。男性は5日、ちょうど会見を開いていた頃、医療機関に入院しました。飲食店の消毒も済み、店内での濃厚接触者は全員を把握し、自宅待機をお願いしました。店名を公表して情報を募るような段階は過ぎており、コロナ対策をしっかり行ったことを知ってほしかったのです」(市役所)
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