【新型コロナ】大阪コロナホテルは“ウイルスが憎い” 風評被害に迷惑する企業に取材すると……
株価が下落
愛知県には、映画館、パチンコ・スロットル、天然温泉、ボウリング場、カラオケ、フードコートなどの複合娯楽施設を全国で17店舗を展開する「コロナワールド」がある。売上は760億円(2017年)。1926(大正15)年創業の老舗企業だ。
「(風評被害は)全くないということはないと思います。実際、来客数は減っております。2月の最終週は、その前の週に比べて全体で1割減となっています。購入された映画のチケットの払い戻しには手数料がかかります。それを無料で払い戻しができるようにしました。また、全国の小中高に休校要請が出ていますので、とりあえず3月2日より13日まで、土日を除いて小中高生のみの入場をお断りしております。保護者同伴の場合はこの限りではありません。館内にはアルコール消毒液を置き、従業員はマスクをしてウイルス対応を行っています」(広報担当者)
コロナ石油ストーブで知られる、新潟県に本社のある『コロナ』は、昨年11月末に1200円近くあった株価が934円(3月3日)と、1000円を割り込んだ。風評被害ということなのだろうか。
「株価はともかく、風評被害は特にございません。社名とウイルス名が同じですが、特に影響はなかったですね。株価が下がった理由は、よくわかりません」(広報担当者)
大阪には、『大阪コロナホテル』がある。
「1月からSNSの運用を始めたのですが、コロナウイルスと名前が同じことから、当ホテルに対して、ツイートがかなりありました」
とは、広報担当者。そのツイートとは、
〈大阪のホテル予約してるんだけどコロナホテルって名前だったことに今気づいた。こわー!〉
〈新大阪駅前にコロナホテルあってわろた、縁起わるそう〉
「ツイート以外にも、『おたくのホテルはコロナウイルスと何かしら関係があるのですか?』という電話での問い合わせが2件ありました。さすがに悲しくなって、1月27日に、涙を流す絵文字を3つ並べ、『コロナウイルスが憎い…』とつぶやいたのです。すると、『風評被害大変ですね、頑張って!』『以前泊ったけど、朝食のビュッフェが豪華で美味しかった』『(ホテル内に展示してある)ブタちゃんがかわいいホテルですね』というあたたかい言葉のリツイートが殺到しました。今でもリツイートは続いていて、現在7万9000件あり、いいね!は23万件となっています」
実際の風評被害はあったのか。
「風評被害というよりも、企業などが出張を減らしている関係で、稼働率は落ち込んでいます。うちは、普段の稼働率は80~90%。それが3月は50~60%に下がりました。会議室や宴会では、3月は全滅ですね。9割近くがキャンセルとなっています」
コロナと名のつく出版社が東京にある。自然科学書や教科書などを扱う「コロナ社」だ。
「風評被害ですか? 今、学校の教科書の注文でてんてこ舞いですから、気にしたこともなかったですね。まあ、講演会が中止になっているくらいで、これといった被害はありません」(編集者)
風評被害が拡大しないことを祈るばかりだ。
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