「さわるな庶民」「大臣秘書だぞ」 国家公安委員長の秘書が暴行逮捕されていた

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 HPによれば、国家公安委員の役割は〈警察運営の独善化の防止〉などとある。つまり警察機構の「お目付け役」というわけだが、そのトップの秘書が警察沙汰を起こしていた。

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 ことが起きたのは2月26日の夜9時半頃。東京・日本橋の飲食店が連なる路上が現場だった。件の秘書の蛮行を目撃した人物が語る。

「男は泥酔していて、道路わきに停車していた個人タクシーの車体を、突然蹴り始めました。異変に気付いた運転手が車を降りてとがめると『俺は何もしていない』『俺には国会議員がついているんだ』などど騒ぎ出したのです」

 その後、男は逃走を試み、それを阻もうとした運転手の顔や胸めがけて拳を振り上げた。通りすがりの会社員風男性3~4人が間に割って入った。

「男は彼らに『さわるな庶民!』と罵声を浴びせ、『俺は大臣の秘書だ。大臣を呼ぶぞ』と延々叫び続けていました」

 その後も、止めに入ろうとした近くの飲食店の従業員に殴りかかり、10人ほどの警察官が到着する事態となったという。彼らにも「お前らは東大を出られないからいつまでも制服警官のままなんだよ」と毒づいていたそうだが……。

 器物損壊と暴行容疑で警視庁中央署に逮捕された男の所持品から見つかったのは、〈自民党幹事長特別補佐兼幹事長代理 武田良太 秘書 白川由仁〉という名刺。武田代議士は、現職の国家公安委員長で国務大臣だ。

 自民党関係者が明かすには、

「男は、秘書といっても公設はおろか、私設秘書でもありません。いわば武田大臣との個人的な関係で仕事を頼まれている“裏の秘書”といった立場だったのです」

 だから武田委員長の事務所に聞いても、

「(事務所に出入りしていた)事実は一切ございません」

 と無関係であるかのような回答が返ってくる。だが、実はこの男、政界では知らぬ人のいない父親の子息でもあって――。

 今回の事件について、警視庁は一切、公式発表していない。

「公表については事件ごとに個別に検討し、適切に判断することとしております」と広報課は答えるが、あるいは「お目付け役」の大切な身内ゆえの“忖度”か。3月5日発売の週刊新潮で詳しく報じる。

週刊新潮 2020年3月12日号掲載

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