今どきJKはお金の知識が高すぎ お父さんのレベルが見透かされているかも?
終身雇用の崩壊や少子高齢化によって社会保障や年金制度などのすべてが先細りの日本。不安をなくすには貯蓄・節約・資産運用などお金と上手につきあっていく「お金の教養」が不可欠だが……諸兄は「お金の教養」レベルに自信はあるだろうか。
そして、その日本で生きる子どもたちは、お金についてどう学んでいるのか?
先進的な教育で有名な品川女子学院では、高校2年生の家庭科の授業で、お金の授業を実施している。今どきJK(女子高生)たちのお金の学びの現場をレポートする。
教鞭をとるのは、総合マネースクール・ファイナンシャルアカデミー(https://www.f-academy.jp/)の山本麗子講師。普段は社会人向けにお金の知識を教えているが、今回は出張授業として、なんと女子高生たちにマイホーム購入に欠かせない住宅ローンや金利の仕組みを教えていた。
なぜ日本人は新築物件にこだわるのか?
山本講師「みなさんが10年後……お家を買うとしたら、新築と中古、どっちがいいですか?」
生徒は挙手で答え、そのほとんどが「新築がいい」という意見だった。山本講師は、
・中古より新築物件のほうが価格が高い(宣伝費などの新築プレミアムが含まれるため)ので、状態のよい中古のほうが「お得」ともいえる
・マイホーム購入層では、中古がいい、もしくはどちら(新築・中古)でもいいと答えた人が全体の4割(平成20年 住生活総合調査結果 国土交通省より)
という補足を加えた。しかし、それでも、新築を選ぶ人のほうが多いという。では、なぜ日本人は新築を選ぶのか?
山本講師「マイホーム=新築じゃないといけない、という思い込みも原因ですが、もう一つ原因があります。実は、日本の金融制度なんです」
ここで山本講師は2つの住宅ローンの種類を説明。
1、フラット35
政府と民間の銀行が協力して提供している超・低金利のローン。利用できる条件は新築物件と中古物件で異なり、中古物件だと借りづらい。
2、銀行独自のローン
この場合も中古物件には厳しい制限がある。借入期間に制限がかかり、返済期間が短くなる。
こうした、中古物件に対するローンの貸出条件が厳しいことが中古を避ける理由であることがわかる。
さらに「固定資産税が、新築は中古の半分ほどで優遇されている」など、住宅にかかる税金にも同様に原因があると解説した。
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