勝新太郎、座頭市にみる独自のリズム 若山富三郎が感じたジャズ
湯浅学「役者の唄」――勝新太郎(4)
俳優・勝新太郎は、優れた音楽家でもあった。歌手活動はもちろんのこと、その才能は手がけた作品、演技でもいかんなく発揮されている。勝といえば、座頭市。音楽評論家の湯浅学氏は、彼の類まれな「リズム」に注目する。
映画の中で勝新太郎は、あまり歌っていない。しかし『新・座頭市物語』の中で、市は小唄を披露する。
座頭、座頭といわんすけれど、仕方なくなく按摩上下十六文 元手いらずの丸儲け
三味線の音は明瞭で、簡素でゆるやかだ。指の運びから見てもこれは同録で勝新の弾き語りだとわかる。...