クイズ番組戦国時代 4月から参戦の「千鳥」は吉と出るか凶と出るか

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司会はお笑いばかり

 それにしても、こんなにクイズ番組を放送して、やっていけるのだろうか。

「クイズ番組は、教養番組のカテゴリーに入ります。視聴者参加型で驚きや発見があるため、ついつい見続けてしまう。昔から固定客がいると言われ、潜在視聴率は7~10%、最低でもこれくらいは取れる“永遠になくならない優良コンテンツ”と言われています。ですから、“困ったらクイズ”というのが業界の鉄則なんです。とはいえ、7~10%の潜在視聴率を食い合ったら、目も当てられない。それで棲み分けができているわけです。もちろん、どの局もより高い視聴率を狙うべく、先輩クイズ番組との差別化を図る新たなクイズ番組を作ろうとしています」(同・民放プロデューサー)

 最近でいえば、俳優の佐藤二朗(50)をMCに使った「超逆境クイズバトル!! 99人の壁」(フジ)や、劇団ひとり(43)の「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」(日テレ)、そして「トリニク」が新しいタイプのクイズ番組だ。

「『99人の壁』は1人対99人のバトルという、これまでなかったルールを採用しています。『小学5年生』は連続正解で賞金、『トリニク』はかつての『クイズ!ヘキサゴン』(フジ)から続くおバカ路線が番組の売りですね」(同・民放プロデューサー)

 それにしても、お笑いのMCが多い。いや、お笑いでないほうが珍しいくらいだ。

「平日はテレ東『和風総本家』(テレビ大阪・制作)を除けば、すべてのクイズ番組がお笑いタレントの仕切りということになります。かつては『クイズタイムショック』(NET:現・テレ朝)の田宮二郎(1935~1978)や『クイズ・ドレミファドン!』(フジ)の高島忠夫(1930~2019)など、俳優が司会を務めていましたが、やはりお笑い系の仕切りの巧さ、アドリブの巧さなどから重宝されているのでしょう。逆に『ふしぎ発見』の草野仁アナ(75)は番組スタート時から定着していますし、ゴールデン帯ではありませんが現在も放送中の『パネルクイズ アタック25』(ABCテレビ制作/テレ朝)も初代司会者の児玉清さん(1933~2011)が長く司会を務めてきたこともあり、現在は同じ俳優の谷原章介さん(47)が務めているのでしょう。ですから、新番組の『99人の壁』で俳優の佐藤二朗さんを司会に起用したことは、思い切った選択でしたね。最近は出題方法に変化が見られるなど試行錯誤してきており、少しブレ始めている気もしますが……」(同・民放プロデューサー)

 そんな中での、千鳥参戦である。

「昨年の特番では、ノブ(40)がMCで、大悟は解答者側でした。レギュラー化されてどうなるのか。くりぃむしちゅーの上田晋也さん(49)が仕切り、有田哲平さん(49)がボケるといった役割分担がされるのかもしれません。いま、クイズ番組として評価が高いのは『東大王』ですが、この番組からインテリ東大ブームが生まれ、伊沢拓司(25)というスターも輩出しました。『クイズ違和感』からも“Mr.違和感”といったスターが生まれるのか、千鳥の2人にかかってくるでしょう」(同・民放プロデューサー)

「クイズ違和感」が月曜20時に収まれば、日曜を除いた19時台、20時台の枠でクイズ番組がないのは、土曜の20時台のみ。早い者勝ちである。

週刊新潮WEB取材班

2020年3月3日掲載

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