新型コロナで「あしなが学生募金」も中止 担当者が語るあまりに痛い“巨額の損失”

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 あしなが育英会による学生の募金活動は、春と秋の風物詩のようなものである。今年4月で100回を迎えるはずだったが、新型コロナウイルス感染拡大のために中止されることになった。募金中止は、50年の歴史の中で初。この影響で、40億円の損失が見込まれるという。

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 1970年に始まった「あしなが学生募金」は、毎年春と秋に各4日間、全国の主要駅前など約200カ所で行われる。1万人のボランティアが動員されるという。今年は100回目を記念し、いつもより多い全国298カ所で2万人のボランティアが参加するはずだった。

「100回目の募金のために、半年前から準備を進めていました」

 と語るのは、あしなが育英会の川本淳広報部長である。

「募金に賛同してくださるボランティアを募ったり、駅や警察などに募金活動の許可を取ったり。あしなが学生募金は他の募金活動とは違って、うちから奨学金を受けている遺児学生も沢山参加します。ですから、ただ募金箱を持って街頭に立っているだけではなく、『私は何歳のときに父親を亡くし……』と、自身の体験を語ってもらい、アピールすることになっています。そのため、どういう風に語れば気持ちを伝えることができるか、学生たちは原稿を練っていました。それが中止になってしまって、非常に残念です」

 今回の中止で、損失が40億円というが、内訳は?

「だいたい1回の募金で現金は1~2億円集まります。募金活動の際、遺児学生たちの思いを書いたチラシを配布します。通常は80万枚ですが、今回は100回目ということで100万枚配る予定でした。チラシを見た方が、うちのホームページや郵便振替などで寄付をしてくださるのです。街頭募金の後、半年ほど寄付が集まります。額は20億円ほどですね。新型コロナの影響で、今後は景気が落ち込みます。遺児家庭では、たとえば母親が職を失うとか、学生がバイトができなくなることで、奨学金の申請が増えてくる。東日本大震災の時もそうでしたが、新たな申請は20億円ほど見込まれます。合わせて40億円の損失となるわけです」(同)

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