【新型コロナ】PCR検査の拡大を感染研OBが妨害……「岡田教授」がテレ朝で告発の波紋

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岡田教授が突然に暴露を開始

 以下は彼女の発言である。言い直しや「あのー」という発言など、一部は割愛した。

《プライベートなことは言いたくないんですけども、中枢にある政治家の方からも、「こういう説明を受けたんだけど、これは解釈、本当にこれでいい?」とか、よく電話がかかってくるんです。

 公的負担に関しては「できたよ」という風な電話があったんですけども、正直言いまして複数の先生から、クリニックから直接(註:民間に検査できる)かということについては「ちょっと待ってくれ」と言われている。「だから、それはまだ分からないんだ」と。

「じゃあ先生、待ってくれというのはどういうことなんですか」ということをお聞きしました。

 私は穿った見方をしていました。経済の方とかご同席すると、「オリンピックってのは巨額なんだよ」と。「そういうために汚染国のイメージはつけたくないんだよ」と、そういう大きな力なのかって思っていたんです。それは抗いがたいくらいの大きな巨額な力なのかなと思っていたんです。

 先生方にぶつけました。そうしたら「はははは」と笑われて、「そんなね、肝が据わったような、数をごまかしてまで、そんな肝が据わった官僚は、今どきはいません」と。

「これはテリトリー争いなんだ」と。このデータはすごく貴重なんだ。衛生研(註:地方衛生研究所)から上がってきたデータを全部、感染研(註:国立感染症研究所)が掌握すると。

 このデータを「感染研が自分で持っていたい」ということを言っている専門家の感染研OBがいると。「そこら辺がネックだったんだ」ということを仰っておられて、私がその時に思ったのは、ぜひ、そういうことは止めていただきたいと。

 大谷先生(註:出演していた大谷義夫医師》のところで人工呼吸器につながれて確定診断できない人がいる。

 そしてこれ、広がれば数万人の命ですよね。こういう方がいっぱいいましたら、数万人なのか、数万人でも済まないのか分かんないと。

 そもそも、こういう数値だったから(註:「医師のPCR検査要求を保健所が断る」と書かれたボードを指さし)、行政が遅れてきたわけじゃないですか。

 今、ようやくここから(註:「加藤厚労相が保険適用の対象にするという考え」と書かれたボードを指さし)保険適用でクリニックから(検査が)行くかもしれませんけど、初動が遅れたという、感染症の一番の(重要なポイントは)初動だってところは、あれが(註:PCR検査数)が少なかったからだと思っています。

 そういう意味では、論文がどうだとか業績がどうだとかということよりも、人命を、本当のところの人命を取っていただきたいという、元々の感染研の方針に帰っていただきたい》

 最後に岡田教授は「一部にそういうOBがいるってことで、人命に関わってくるというのは凄く怖いなと思っています」と締めくくった。

リアクションに困るスタジオ

 すぐに玉川氏は「ものすごい告発ですよ」と興奮気味に言う。羽鳥アナは「民間に検査を委託すると、感染研がデータ集められないってことですね」と最も重要なポイントを要約し、視聴者に念を押すように伝えた。

 それからカメラはコメンテーター席を映した。レギュラーコメンテーターの長嶋一茂氏(54)や吉永みち子氏(69)の顔がテレビ画面に出たのだが、驚きのあまりリアクションに困っていたのは言うまでもない。

 ツイッターは直後から強い反応を示し、「岡田先生」などの単語がトレンド入りした。その一方で、これまで番組の発言をネット用記事で報じてきたスポーツ紙などの大手メディアは沈黙を守っている。

 岡田教授の発言について、専門家の意見を聞いた。医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏に取材を申し込むと、「岡田先生のご指摘は、充分にあり得ることだと私も思います」と指摘する。

「ウイルス検査で得られるデータなどの情報、さらに検査に必要な予算を独り占めすることを、一部の感染研OBが最優先に考えたとしても、役人の世界では不思議なことではありません。新型ウイルスの検査費用が公的保険の対象となれば、普通は民間の病院から民間の調査会社への依頼が加速するはずです。これを嫌がる感染研OBが厚労省を巻き込み、大学病院を受診した患者を保険の適用対象に限定するなど、これからも骨抜きを狙ってくる可能性があります。私たちは引き続き、厚労省の動きに注意する必要があるでしょう」

「モーニングショー」で玉川氏は「野党が国会で追及すべき」と訴えた。国会で真相が究明されることはあるのだろうか。

週刊新潮WEB取材班

2020年3月1日掲載

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