再評価される路面電車 「富山」「札幌」「宇都宮」にみる新時代の幕開け
鉄道業界関係者、鉄道ファン、そして中心市街地空洞化に悩まされてきた地方自治体関係者の間には、2000年前後から路面電車に対して大きな期待が膨らんでいた。
昭和30年代後半をピークに、路面電車は日本全国から次々と姿を消した。それでも、日本各地で路面電車はしぶとく生き残っている。
発車時などにチンチンと合図をすることから、路面電車は“チンチン電車”と呼ばれて市民に親しまれてきた。昭和期には、地域住民の主要交通機関だったから、「チンチン電車に乗って学校に通った」「週末に親と一緒に繁華街へ行く時に乗った」……そうした幼少期の原体験から、路面電車にノスタルジーを抱く人は少なくない。...