ジェフ・バーグランドさんが日本で見つけた飲食店 美味しいNIPPON

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 好きな飲食店や好物の話を聞けば、その人の人となりが解るというもの。ゆえに「名は体を表す」ならぬ、「食は体を表す」なのである 。この企画では、外国籍の著名人の方々にご登場頂き、行きつけのお店をご紹介してもらいます! 意外なお店のチョイスに驚くこと必至! 彼らの食に対する感性と経験が垣間見えちゃうんです。第29回は、ジェフ・バーグランドさん。今回は「酒菜 石慶(せっけい)」に伺いました!!

 人生において決断を迫られる瞬間は多い。主に関西圏でタレントとして活躍する傍ら、京都外国語大学で教鞭をとるジェフ・バーグランドさんの日々も同様である。が、とりわけ飲食店において決断をするのは苦手とのことで、

「メニューを見ると、どれも美味しいんやろうなって思って迷っちゃうんです。それで別の人が頼んだのと同じ料理を注文するんですが、それはアメリカではcopycatっていって、凄く嫌われるんですわ」

 そう言ってカウンターの隅に座ろうとするジェフさん。

「僕、はじっこが落ち着くねん」

 京都に来て半世紀以上。すっかり身も心も日本人のジェフさんが紹介するのは、二条城近くにある隠れ家的な割烹「酒菜 石慶」だ。

「ここは肴にしてもお酒にしても、大将がお薦めを選んでくれるんで、めっちゃ楽なんです(笑)。もちろん、料理の味は文句なしですよ!」

 魚が一番の好物というジェフさんの好みを考慮し、今回、店主の吉井さんが作ったのは4品。前回来店時に、このわたをことさら気に入っていたジェフさんを見て、メニューにはない「珍味の盛り合わせ」も用意した。

「僕が生まれたんはアメリカ中北部のサウスダコタ州。海からは2500キロも離れた平原地帯で、人より牛の方が多い土地(笑)。やから、生魚を日常的に見ることも食べることもなかった」

 ただ、父がスウェーデン系だったことから、名物の塩漬けニシンの缶詰など、クセの強い料理を幼いころから口にしていたそう。

「だからやと思うんですが、このわたとかいかの塩辛とかが好きで。え? 今日は河豚の白子もあんの? う~ん、ちょっとなら飲んでもええよね?」

 そんな“決断”に応え、吉井さんは早速、お薦めのお酒を用意。おちょこに注がれた日本酒をクイッと飲み干したジェフさん。

「あぁ、ええ香りですわ。珍味とよく合うね。京都のお店って、お客さんの好みを理解して、お薦めを出してくれるのが嬉しいんですよね。それが50年以上住んでいる理由かもしれへんね」

 美味しい和食を食べると、翌朝はいい目覚めをすることが多いと話すジェフさん。さて、この夜はどんな夢をみたのでしょうか。

週刊新潮 2020年2月27日号掲載

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