「私はコロナウイルス撒いたかも」長距離運転手が激白 感染者発生の病院で手術受ける
〈和歌山県内で新型コロナウイルスに医師が感染〉
2月13日20時、パーキングエリアで束の間の休息をとっていた30代の長距離トラック運転手は、こんなニュースを目にする。
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折しもその日の朝から、彼の身体は日々の過酷な労働で積み重なっていた疲労だけでなく、不気味な倦怠感に苛(さいな)まれていた。だが彼にとって、新型コロナウイルスはまだどこか他人事だった。このニュースを目にするまでは……。
先のニュースでは、新型ウイルスの感染者である医師が働いていた病院名も明かされていた。
済生会有田病院。
彼を悪い予感が襲う。つい最近、有田病院で手術を受けたばかりだったのだ。
「自分の倦怠感の原因は……」
その瞬間、彼の背筋に冷たいものが走った。それは倦怠感に伴う寒気とは別の、自身も感染者かもしれないという「恐怖」がもたらしたものだった――。
目下、新型コロナウイルスの猛威は、日本ばかりか欧州をも飲み込もうとしている。2月15日にフランスで同ウイルスによる死者が出たことが判明したのだ。
日本に目を転じても、豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗員・乗客を含めた感染者は800人を超え、13日には国内初の死者が出た。さらに院内感染の疑いが浮上し、都内のタクシー運転手の感染も確認されている。
水際作戦虚しく、もはや新型コロナウイルスはそこかしこに「ウヨウヨ」していると考えたほうがよいであろう事態に陥っているのである。事実、加藤勝信厚労相も15日の記者会見で、
「感染経路が判明していない事例がある。以前とは状況は異なっている」
こう認めたように、新型コロナウイルス騒動は新局面に突入したと言えよう。それもそのはずで、冒頭で紹介した長距離運転手の話に耳を傾けてみると、パンデミックもやむなしと思わざるを得ないのだった。
「有田病院で手術を受けたのは1月28日のことでした」
と、当の長距離運転手が振り返る。
「その日に痔ろうの手術を受け、2月4日にも事後診断のために有田病院に行きました。その際、私は有田病院の『ふたり』の外科医と接しています」
同院の外科医で新型ウイルスに感染した人数も「ふたり」である。
「私が診てもらった外科医は感染者だったのではないかとの疑念が拭えませんでした。しかも、尾籠な話で恐縮ですが、痔ろうですから医師の方は私の肛門に指を突っ込んだりしています。もちろん、医療用の手袋を着けた上でのことですが、私は外科医と文字通り『濃厚接触』している。マスクも着けていませんでしたので、私が医師からウイルスをうつされている可能性は決して低くないと思うんです」
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