【新型コロナ】シンガポールは日本に次ぐ感染者数 アジアの優等生が被害を拡大させた3つの誤り

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 IMFが発表する最新(2018年)の「国民ひとり当たりのGDP」データで、シンガポールは米国を抑えて世界8位に位置する。これはアジアのトップで、つづく香港は17位。シンガポールが“アジアの優等生”といわれるゆえんだ(ちなみに日本は26位)。だが、世界を脅かす新型コロナウイルスを巡っては、数多くの感染者を出している。東南アジア情勢に詳しいジャーナリストの末永恵氏が、“優等生”が抱える3つの問題を解説する。

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 2002年に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)の犠牲者を超え、アフリカでの感染も確認されるなど、世界的な脅威となっている新型コロナウイルス。中国、韓国、イタリア、そして日本に次ぐ感染者を出しているのが、シンガポールだ。26日午後7時現在での感染者数は91人。同じ東南アジア諸国のタイを始め、中東諸国、韓国などが、「シンガポールへの渡航自粛」を決定するほどに被害が拡大している。

 欧米諸国が冬を迎えた今、本来であれば治安がよく常夏のシンガポールは、人気のバカンス先のひとつだった。しかし、新型肺炎が大流行した結果、英国のテレグラフ紙は「シンガポール渡航は大丈夫?」などの記事を配信するまでになっている。「毎85秒間隔の離発着を誇り、米JFK(ニューヨークのケネディ国際空港)など以上に、世界各地を結ぶ世界のハブ空港」(英BBC)と称されていたシンガポールのチャンギ国際空港も“ゴーストエアポート”と化した。普段の喧噪からは信じられないような静けさだけが漂っているという。

 SARSの際は、中国に次いで被害が大きかったのは香港やマカオだった。ところが今回は、中国と国境を接するこれらの国以上の感染者が出ているのだ。“震源地・武漢”から約3500キロ離れたシンガポールで、なぜ、被害が拡大したのだろうか。

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