東京五輪買収疑惑 “菅長官に資金を頼まれて…”セガサミー会長と安倍政権の深い仲

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 東京五輪大会組織委員会の森喜朗会長(82)が立ち上げる謎の財団は、五輪後の剰余金の受け皿になる狙いがあるのではないか。さらに新財団の設立者である「嘉納治五郎記念国際スポーツ研究・交流センター」なる一般財団法人(以下、嘉納財団)は、五輪誘致のための買収に関わっているのではないか。2号にわたり、週刊新潮はこれらの疑惑を報じてきた。

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 日本国内でも新型コロナウイルスの感染者が続々と確認され始め、目下、東京五輪の開催は危ぶむ声も上がっている。海の向こうからは「ロンドン代替開催案」なんてものも聞こえてくるが、森会長が推しているのは、ウイルスが鎮静化した時期を狙っての「1年延期案」であるという。

「ただ、選手にとっては辛い。今年7月にピークを持ってくるべく練習してきたのに1年延期となれば心身はガタガタになる」(スポーツ紙記者)

 いずれにせよ、なんとしてでも東京で五輪は開催したい様子。なにせ、開催を実現させるまでに、関係各所はこんな“努力”をしてきたのだから……。

 詳しくはデイリー新潮配信記事〈極秘「決算報告書」入手! 「森喜朗」が代表理事「嘉納治五郎財団」の五輪買収「5億円」疑惑〉を参照頂きたい。政界のタニマチとしても知られる「セガサミーホールディングス」里見治会長(78)が嘉納財団に寄付した億単位の金が、フランスの捜査当局が追う「ラミン・ディアク国際陸連会長(当時)とその息子」に流れたのではないか、というものである。この東京五輪買収疑惑の捜査は現在も継続中だ。

 里見会長は東京での五輪開催が決定した13年秋頃のある酒席で、

「菅義偉官房長官から話があって、『アフリカ人を買収しなくてはいけない。4億~5億円の工作資金が必要だ。何とか用意してくれないか。これだけのお金が用意できるのは会長しかいない』と頼まれた」

 と、嘉納財団に寄付を行った旨を発言。里見会長は本誌の取材にこの発言を否定せず、またセガサミー広報は寄付した事実を認めている。

「週刊新潮の記事が出回ると、永田町では『なるほど、そういうことだったのか』という反応が広がりました」

 全国紙の政治部デスクはそう語る。

「里見さんの娘さんは13年に経産省の官僚だった鈴木隼人氏と結婚しています。その鈴木氏は14年の衆院選の際、自民党の比例東京ブロックの実質的な単独1位となり、何の苦労もなく当選。当選ゼロ回の名も知られていない新人が比例名簿の実質1位なんて通常ではありえない。その頃から『何かウラがあるのでは』と言われていたのですが、今回の週刊新潮の記事で『なるほど』となったわけです」

 里見会長の娘と鈴木氏の披露宴は、安倍晋三総理や森元総理、小泉元総理も出席したド派手なものだったとか。さらには「カジノ議連」の中心メンバーの姿もあった。今年1月末、セガサミーは横浜のIR(カジノを含む統合型リゾート)に参入を目指す方針を明らかにしている。億単位の寄付によって、里見会長が得た“収穫”は果たして……。

 2月27日発売の週刊新潮では、買収疑惑をめぐって始まった「森元総理vs.小池知事」の暗闘とあわせ、詳しく報じる。

週刊新潮 2020年3月5日号掲載

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