反省はするけどお詫びは嫌……「小泉進次郎大臣」の迷答弁で判明した天才子役の限界

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馬脚を現す

 翌19日の衆院予算委員会では、立憲民主党の本多平直議員が質問に立った。

「新年会ということでよろしいですか? お酒も出てますけど、そういう回答ということで」(本多議員)

「本多先生の言う通りです」(小泉大臣)

「ご自分の口から言ってください」(本多議員)

「本多先生がお望みになる『新年会』という言葉と、その場にお酒が出ていたのかということであれば、新年会でありまして、その場にお酒も出ておりました。危機管理としては問題ない」(小泉大臣)

 すると、本多議員はきっぱりと、

「人の命健康がかかっていて、他の会議でこういうこと言っているんじゃないんですよ。大臣失格だと申し上げたい」

 本多議員は、翌20日の衆院予算委員会でも質問に立った。

「新年会で酒も出る行事に出ていたこと、私に言われたからとか付けずに、国民に謝罪していただけませんか」(本多議員)

「私自身がその会議に欠席をして、地元の横須賀の会合に出席してきたことは問題である。そういったご指摘を受けまして、あらためて私としては、そういったことを真摯に受け止めて反省しています」(小泉大臣)

 本多議員は語気を強めて、

「国民の皆さまにお詫びをする気はありませんかと申し上げているので、長々と関係のないことを言わずに、(謝罪を)するのか?しないのか?お答えいただければと思います」

 だが、小泉大臣はあくまで冷静に、

「まず、反省をしているという風に申し上げましたが、反省しているんです。ただ、あのう、これは私の問題だと思いますが、反省をしていると言いながら、反省をしている色が見えない、というご指摘は、私自身の問題だと反省をしております。え~、最初は共産党の宮本先生からご指摘を受けて、その時は、宮本先生のおっしゃる通りだと私が繰り返し、そして、翌日、本多先生のご指摘を受け、また、前からですね、私なりに反省をして、本多先生からのご質問の時に反省をしているということを答弁しようと、そういう風に思い、私は反省しているという風に申し上げております。ですが、たびたびになりますが、それでも反省の色が伝わらないという、私自身の問題に対するご指摘に対しても、しっかりと反省をして、今後そのようなご指摘がないように、身を引き締めて対策に取り組んでまいりたいと考えております」

 どうやら反省はするけど「お詫び」はしたくないようである。挙げ句、反省が伝わらない自分に反省……。国会議員なら分かりやすく自分の言葉で話すべきだろう。

「小泉大臣は、この答弁で馬脚を現しましたね」

 と語るのは、政治アナリストの伊藤惇夫氏。

「最初は、質問には答えず、関係ない話を延々と話す安倍総理の真似をいているのかな、と思っていました。ですが、野党の質問に対して、ああいう答え方をする政治家はいませんよ。極めて不誠実だし、何であんなことを言ったのか理解に苦しみます。『おっしゃる通り』や『反省しています』を何度も繰り返していましたが、反省の色は全然見えないし、どうしちゃったんだろうと。彼はもっとクレバーだと思っていましたが……」

 小泉大臣がこんな答弁をするのは、若い頃からチヤホヤされて育ったからだという。

「私は、彼のことを“天才子役”と言っていましたが、子供時代からチヤホヤされて育つと、大人になって、道を誤る人がいっぱいいます。彼は、天狗になってしまったんですね。メディアの責任でもあるんですよ。政治家としての力量、能力とか関係なく、将来は総理なんてメディアが持ち上げたので、いい気になっちゃったのです」

 小泉大臣は、大臣就任直後の昨年9月、ニューヨークであった気候変動サミットで、『気候変動のような大きな問題は楽しく、クールで、セクシーに取り組むべきだ』と発言しているが、

「あれは単に受けを狙っただけ。中身はありません。彼は、自分は何を言っても受ける、許されると大いなる勘違いをしています。けれども、大臣になれば、そんなことは通用しません。今回の答弁で、政治家としての資質が疑われると思います。将来の総理候補になるためには、10年くらいは修行を積んで欲しいですね」

週刊新潮WEB取材班

2020年2月26日掲載

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