「参院竹下派」を激怒させ、世耕弘成の野望が潰えた日

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 派閥政治が終わったと言われて久しい永田町で存在感を誇示したのは、竹下派こと「平成研究会」である。

 今月8日、参院の麻生派、細田派、岸田派が合同で勉強会を設けようとしたものの、竹下派の横ヤリで頓挫したと報じられた。

 異例の3派合同勉強会のミソは、竹下派の名前が入っていないことで、

「麻生派が、影響力の強い参院竹下派を外して、参院での自分たちの存在感を高めようとしたのです。そこに参院幹事長で細田派の世耕弘成さんなども加わり、10日には『参院賢人会』と称して初会合が予定されていた」(政治部記者)

 参院竹下派といえば、かつて“参院のドン”と呼ばれた青木幹雄氏や昨年10月に死去した吉田博美前参院幹事長のもと、隠然たる影響力を党内に及ぼしてきたことで知られる。

「吉田さんの没後も強い力を持ち続ける参院竹下派は、幹事長に就任した世耕さんにとって目の上のタンコブ。渡りに船と麻生派の画策に乗ったと見られている」

 ところが、

「参院幹事長代理を務める石井準一参院議員ら竹下派の幹部がこれに猛反発。“ならば竹下派は、参院予算委員会の理事を全員降ろす”と、世耕さんの喉元に匕首(あいくち)を突き付けたのです」

 慌てたのは世耕氏。

「首相のヤジで衆院が荒れる中、参院が内輪揉めでは、自らの沽券(こけん)にかかわる。即座にそろばんを弾いて翻意したのでしょう」

 虎の尾を踏んづけた世耕氏。本業で存在感を示せるのは、いつになるやら。

週刊新潮 2020年2月27日号掲載

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