映画「パラサイト」アカデミー賞なのになぜ文在寅は仏頂面なのか

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 アカデミー賞で4部門に輝いた「パラサイト 半地下の家族」。韓国映画の快挙に、文在寅大統領もさぞかしご満悦と思われたが――。

「韓国で“半地下”といえば、北朝鮮の侵略に備えた避難場所でした。ところが、今では“住宅難民”の象徴となっていて、半地下や地下に40万近い世帯が暮らしているとも言われている」

 とは『韓国 行き過ぎた資本主義』の著書があるジャーナリストの金敬哲氏。

 ソウルなどの都市部では、このような住宅格差が深刻な問題になっているという。

「ソウルの平均的なマンションの価格は現在9億1千万ウォン(約8500万円)。ただし住宅ローンの金額が制限されているため、およそ半額を現金で用意しなくてはならず、庶民には手が届かないんです。一方で、富裕層が投機用にマンションを購入して価格が高騰する悪循環に陥っている」

 文政権は富裕層への銀行融資を規制するなど、幾度となく対策を講じてきたが、

「いずれも失敗に終わっています。昨年12月にはついに15億ウォン以上の住宅への融資を全面禁止し、1月には住宅の売買に政府の許可を必要とする政策の導入までチラつかせた。でも、どれも焼け石に水で、すでに40%以上も住宅価格が高騰したと言われています」

 これでは“持たざる者”たちの怒りが“持てる者”へ向かうのは当然の理。

「昨年12月には、市民団体が“政府高官の32%が複数の住宅を所有し、文政権で彼らの不動産価値は平均3億2千万ウォンも上昇した”と発表。また次期大統領とも噂される文さんの側近がマンション高騰の恩恵を受けていると批判され、慌てて売りに出すということもありました」

 住宅問題は、4月に実施される韓国の総選挙にも影響を与えていて、

「与党・共に民主党は、候補者全員に“特定地域に二つ以上住宅を所有している場合は売却する”という誓約書を書かせたほど。国民を刺激しないよう息をひそめるのに必死です」

 地下に潜りたいのは文大統領の方?

週刊新潮 2020年2月27日号掲載

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