極秘「決算報告書」入手! 「森喜朗」が代表理事「嘉納治五郎財団」の五輪買収「5億円」疑惑

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 本誌(「週刊新潮」)2月13日号でお伝えした森喜朗元首相(82)の「新財団」の設立者となるのは、嘉納治五郎(かのうじごろう)の名を冠した財団。その「嘉納財団」に、安倍政権とも近いとされる里見治(はじめ)会長(78)の「セガサミー」社が多額の寄付をしていた――。その金は、「五輪買収」のために使われたのか。疑惑を追う。

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〈人間が権力にしがみつく、と言うのは、ありゃウソだよ。それは逆で、権力のほうから人間に取りついてくるんだ。だから、人間のほうがよほど邪険に権力を振り払わんと、どこまでもつきまとわれる〉

 関西電力初代社長の太田垣士郎氏はそう語ったと伝えられる。が、この人の場合、長きに亘って権力にとりつかれ続けたあげく、ほとんど一体化してしまったかのようである。東京五輪組織委員会の森喜朗会長。本誌2月13日号では、森会長が「一般財団法人日本スポーツレガシー・コミッション」なる新たな財団を設立し、五輪後のレガシーまで自らの影響下に置こうとしていることをお伝えした。同じタイミングで発売された月刊誌「文藝春秋」に森会長のインタビューが掲載されていたのは、無論、偶然であろう。もっとも、その中身は“生臭い”ことこの上なく、「ポスト安倍」については、

〈安倍さんに続けてもらうことが、最も国益に適う〉

 として、“人事”にまでこう口出し。

〈幹事長も官房長官も新しい人に任せ、自民党の人心一新を図るべき〉

 さらに、東京五輪マラソンの札幌移転に関しては、

〈もちろん私でなきゃできなかった、とは言わない。ただ、バッハやコーツ、政府や党、議会などへは電話で話ができる関係がないと、まとめることはできなかったでしょうね〉

 と、自画自賛。読み進めるにしたがってうんざりした気分にさせられるインタビューなのだが、雑誌発売の翌日、わざわざそれを紹介する記事を掲載したのは読売新聞だった。ちなみに本誌が先週、新たな財団に関して森会長に取材を申し込んだところ、その翌日、やはり読売に、財団について「好意的」に紹介する記事が掲載された。一体、これは偶然なのだろうか。

「新財団立ち上げのための会議は2月5日、東京・晴海の組織委の会議室で予定通りに行われました」

 そう明かすのは新財団の関係者。森会長の他、遠藤利明元五輪担当相や河村建夫元官房長官など、新財団の評議員や役員に就任する人物はほとんど顔を揃えていたといい、

「『週刊新潮』に掲載されていたものと同じ新財団の内部資料が出席者の手元に配られ、それを見ながら設立の趣旨などが説明されました。それだけなので全部で1時間もかかりませんでした」(同)

 同日、記者から新財団について問われた東京都の小池百合子知事は、

「この件については、私は承知、了承したわけでもなんでもありません」

 と、またしても繰り返された「小池外し」に不快感を隠さなかった。

 この小池知事の「ぶら下がり」と、その翌日に行われた組織委の武藤敏郎事務総長の会見では、新財団が五輪の剰余金の受け皿になるのではないか、という見方についても記者たちから質問が飛んだ。

「武藤さんは剰余金の受け皿になることについて、“根拠がない”と妙な言い回しで否定。“現時点では”そのような予定はない、としてほとぼりが冷めるのを待つようですね」

 と、文科省関係者。

「また、まずはラグビーワールドカップの剰余金を新財団に移し、世論の反応を探るのではないか、という見方もあります。ラグビーワールドカップは想定以上に盛り上がったため、数十億円規模の剰余金が出る予定です」

 この点、森会長に取材を申し込むと、

「『日本スポーツレガシー・コミッション』は、各スポーツ大会の余剰金を扱う団体ではありません」

 との回答が寄せられた。

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