「鶴瓶の家族に乾杯」に本木雅弘が出演 民放プロデューサーは仰天で視聴率も圧勝
モックンこと本木雅弘(54)が2月10日のバラエティ「鶴瓶の家族に乾杯」(NHK総合)に登場。視聴率11・9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)を叩き出し、同時間帯の民放を圧倒した。視聴者の評判もよかったが、業界関係者が驚いたのは、彼がバラエティに出演したことである。その上、その言動も怖いもんなしで――。
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この日の放送は、「麒麟がくるSP!本木雅弘と岐阜市ぶっつけ本番旅!」というタイトルが付けられた。その名の通り、大河ドラマ「麒麟がくる」の番宣番組であった。
主人公の明智光秀(長谷川博己[42])を差し置いて……とはいえ、いまのところ実質的な主役は光秀ではなく、斎藤道三を演じるモックンと言っていいほど抜群の存在感がある。その彼が、道三の居城・稲葉山城があった岐阜市を歩くというのだから、岐阜市民ならずとも見たくなるというもの。
ネット上の評判も上々だった。
《斎藤道三(モックン)が出た、「鶴瓶の家族に乾杯」を見てます。自分が中学生の頃からファンです。モックン、相変わらずカッコいい。》
《「麒麟が来る」のキーワードで引っかかった家族に乾杯を見ている。ゲストはモックン。 目がハートマークになったおばさま達が爆釣されている様が面白い。鶴瓶には決して見せない表情であろう。まあ、分かるw 実物目の前にしたらそうなるだろうな!》
《家族に乾杯でモックンが岐阜を歩き、地元の老若男女と気さくに上手に話を盛り上げていくので、ちょっと驚いた。気さくというよりこの人ははっきりと優しいな。こんな賢く優しい人はなかなかいないのではないか。だからあんなに気難しそうな義父母とも、うまくやっていたんだろうなあ。》
それゆえ視聴率も11・9%と同時間帯ではトップだった。それ以上に驚いたのは、とある民放プロデューサーだ。
「番宣とはいえ、モックンが素人を相手に街歩きバラエティに出るなんて……。同じ元シブがき隊のヤックン(薬丸裕英[53])やフックン(布川敏和[54])は出演してくれますが、彼はバラエティは一切拒否と言っていいほど、オファーを受けてくれないことで有名です。世間よりも民放関係者がビックリしたと思いますよ」
やはり、期待の大きい大河だけに、NHKのお願いを無下にもできなかったのだろうか。
「それもあるでしょうね。岐阜でのロケは昨年12月14日とありましたから、彼の娘役(濃姫)を演じていた沢尻エリカ(33)の逮捕(11月16日)から約1カ月。NHKでは彼女の演じたシーンの撮り直しで、すったもんだしていた最中だった。それを押してロケをこなしたのは、何とかして大河に貢献したいという思いがあったのでしょう。番組自体の評判もよかったのですが、それよりも驚いたのは、いい感じのボヤキもあったし、もはや恐れるものがない話術でしたね」(同・民放プロデューサー)
SMAPとか嵐のほうがよかった
番組は、独りごちるモックンのボヤキから始まった。
本木:こんな過酷な番組ないですよね。なんかとても幸せなムードあふれる番組ではありますが、巡る本人にとっては、そんなすべて予定不調和の記録ですよね。台本がもらえないと仕事ができない人間に対して、素を晒(さら)せって言う。これほど酷なことはありません。最悪な気分です……。
その後、笑福亭鶴瓶(68)と合流すると、たまたま居合わせた一般人にモックンが問いかける。
本木:(自分のこと)ご存知ないでしょ?
一般人:知ってるよ!
鶴瓶:知ってるがな! なんで、ご存知ない、言うねん。
一般人:ヤックン!
――コケるモックン。そして、こう言い放つのだ。
本木:やっぱりね、朝の顔とか、そのほうが強いんですよ。
「モックンの前でヤックンの名を出すなんて、素人だからできること。いまやバラエティタレントの薬丸、布川に対し、彼は純然たる役者ですからね。大体、ヤックンが朝の顔(「はなまるマーケット」[TBS:96~14年])だったのって何年前ですか? それにしてもこの日の放送では、他にも元ジャニーズの名が出てきたことに驚きました」(同・民放プロデューサー)
――岐阜の喫茶店で出会った女性(内藤はるみ[64])は元歌手で、日テレ時代の「ドラえもん」の主題歌を披露し、堀越学園の芸能コース1期生と自己紹介を行った。
内藤:先輩には江木俊夫さん(67・元フォーリーブス)、同級生には郷ひろみさん(64)……。
「どちらも元ジャニーズ事務所のアイドルでしたからね。その後、モックンは、自分からジャニーズ事務所所属のグループ名を出していました」(同・民放プロデューサー)
――洋品店のおばちゃんと意気投合し、自宅に向かっているときのこと。
本木:お嫁さん、おいくつくらい?
おばちゃん:48歳かな。
本木:そうか……SMAPとか嵐のほうがよかったって言われそうだな。
「SMAP、さらに今年いっぱいで活動休止する嵐まで出していました。もはやジャニーズ事務所も恐るるに足らず。格の違いを見せつけられた気がしました」(同・民放プロデューサー)
ジャニーズ事務所を去った芸能人の中で最も成功したのがモックン――と言うのは芸能記者だ。
「88年にシブがき隊が解散すると、事務所を辞めて、役者の道を歩き始めたのがモックンです。翌年にはピンク映画でメガホンを取っていた周防正行監督(63)の一般向け映画の第1作『ファンシイダンス』で映画単独初主演。92年には同じ周防監督の『シコふんじゃった。』で弱小相撲部員となる大学生を演じて、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞し、役者として認められました」
その前年には、篠山紀信(79)撮影のヘアヌード写真集も刊行。大晦日には紅白歌合戦にソロで出場し、コンドームを首からぶら下げた衣装が物議を醸したこともあった。
「エイズ撲滅の意味があったといいますが、真面目で大人しそうな彼は、時に過激な行動に出ることもありました。何より92年には、のちに義父となる内田裕也さん(1939〜2019)主演・企画・脚本の映画『魚からダイオキシン!!』(監督:宇崎竜童[73])にも出演しています。95年には裕也さんと樹木希林さん(1943〜2018)の娘である内田也哉子さん(44)と結婚しました」(同・芸能記者)
98年には大河「徳川慶喜」で主演。さらに、自ら映画化の許可を取り、企画を温めていた主演映画「おくりびと」は、09年の米国アカデミー賞の外国語映画賞を受賞。そして、この年から4年にわたり放送されたNHKの大型企画「坂の上の雲」で主演する。
「いまや日本を代表する俳優の一人。しかも『おくりびと』のように、自ら企画し、それが外国語映画賞まで取っているのですから、業界での発言力も備わっている。同居していた義母の樹木希林さんが晩年、『私が出ると映画の格が上がるのよね』なんておっしゃっていましたが、彼女の仕事の仕方も参考にしているのかもしれません。モックンはオファーに片っ端から乗ることはせず、出演作は吟味する。だから、出演作は限られ、彼が出るだけで作品に重みが出るんです。もちろん、その域に達するには、卓越した演技力は必須です。仕事に対して真面目なことは業界でも有名ですからね。めったに出ないこと、真面目であることに加えて、役者としての自信が相まって、今回の『家族に乾杯』の高評価にも繋がっているのだと思います」(同・芸能記者)
ところで、「家族に乾杯」では、もうひとつ戦いが行われていた――と言うのは、前出の民放プロデューサーだ。
「実はウラ番組の『帰れマンデー見っけ隊!!&10万円でできるかな 合体3時間SP』(テレビ朝日)には、『麒麟がくる』の中で道三と死闘を演じている織田信秀役の高橋克典(55)がゲスト出演していました。テレ朝としては、彼が主演する『庶務行員 多加賀主水4』の番宣番組でした。とはいえ、このタイミングでモックンのウラに高橋を出演させてどうする、と思いましたが、こちらの視聴率は9・6%。やっぱり道三が圧勝でした」
さて、今後は娘を嫁がせる信長との面会など、道三には見せ場も多い。役者モックンの独壇場はまだ続く。