甲子園Vの「花咲徳栄」元主将が強盗致傷、強盗殺人犯もいる有名「元甲子園球児」で逮捕された人たち

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人生をリセットできるなら

「東海大甲府を卒業後、新日鉄名古屋の社会人野球を経て、91年に横浜に入団した山根善伸は6年の在籍で一軍の33試合に出場しました。05年に女性に借金につけ込み、ソープランドで働かせたとして売春防止法違反で逮捕されました。この時には個室マッサージ店経営となっていたのですが、12年に再逮捕。この時は、亡くなった同級生の妻からおよそ300万円を騙し盗ったとして詐欺罪で逮捕されるのですが、その肩書きには驚きました」(同)

「指定暴力団幹部」の山根となっていたのである。

「酒田南高のエースとして2年連続で甲子園出場した金本明博の場合は、ちょっと可哀想でした。高校生ドラフトで中日に入団し、野手に転向して活躍の場を探しました。しかし、3年目の07年、中日は支配者登録できる70人枠を空けるために彼を育成選手とする手続きをしようとしたところ、他球団から猛反発をくらい、結果的に自由契約となり、球界を去ることに。その1年半後、地元で酒田南高時代の野球部の仲間と飲んでいたところに、他のグループとトラブルに発展。警官から事情を聞かれている最中に、シャッターを蹴るなどして逮捕されてしまいました」(同)

 自分の置かれた状況を考えれば、むしゃくしゃすることもあっただろう。

「近江高校では2年から4番を任され、高校通算74本塁打で“伊奈ゴジラ”とも呼ばれた伊奈龍哉は、06年にホークスに進みます。しかし、肩の故障で、07年に戦力外通告。四国の独立リーグに行くのですが、やはり肩の調子が思わしくなく、5試合に出場したのみで、20歳で野球と離れることに」(同)

 その名が新聞紙上で報じられたのは11年4月のこと。

「東日本大震災があった直後です。福島第1原発から30キロ圏内の屋内退避地域で、電柱の電線を盗んだと窃盗容疑で逮捕されました。この時、実は10年4月に知人女性のバッグから現金4万円を盗んだ容疑で逮捕されていたことも判明しました。こちらは被害届が取り下げられ、釈放されたそうです」(同)

 反省し、更正するチャンスもあったのに残念。

「長打力もあり、内野も外野も守れるユーティリティプレイヤーとして、阪神からオリックス、そして韓国と渡り歩いた塩谷和彦は、06年に現役引退。その後は不動産会社社長となり羽振りのよさが評判になりました。ただ、現役時代から手癖が悪いと言われており、他の選手の私物を着服する疑惑も噂されていたんです。結局、新しくできる商業施設の売上の一部を受ける権利などといって550万円をだまし取り、12年に詐欺容疑で逮捕されています」(同)

 現役時代のあだ名は“ルパン”だったという。現役のプロなのに、手癖が悪いというのは、巨人にもいた。

「同僚選手のロッカーから野球道具などを盗み、ネットオークションに出品していた柿沢貴裕ですね。神村学園では2年、3年と連続で甲子園に出場し、3年次は4番でエースでした。ドラフトで楽天に入団しますが、17年に巨人へ。18年に事件が発覚して、契約解除に……」(同)

 それにしても甲子園で輝いた球児たちは、なぜこんなことに?

「結局、甲子園に行けても、さらに上がいることを知るわけです。そこからプロになれたとしても、まだ上には上がいます。そこに挑み続けられる人は別ですが、辞めざるを得ない時はやってくる。その途端に事件を起こすケースが多いようですね。野球に打ち込みすぎて、社会を知らないから、こうなってしまうのでは」(同)

 スクーターによるひったくりで逮捕された本田拓人は、取り調べで以下のようにも話していたという。

《甲子園は最高の舞台。人生をリセットできるなら、もう一度甲子園に行きたい》

週刊新潮WEB取材班

2020年2月6日掲載

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