ケント・ギルバート氏が世界一と絶賛する日本の食文化 海外セレブにラーメンが大人気

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 テレビでもお馴染みの弁護士でタレントのケント・ギルバート氏(67)は1971年に来日して以来、50年近く日本に住み続けている。今や親日派として知られる彼が先日、『私が日本に住み続ける15の理由』(白秋社)を出版した。タイトルの通り15の項目を挙げて日本を絶賛しているが、そのうちの一つ「間違いなく世界一の食があるから」について聞いた。

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 外国人に人気の日本食と言えば、まず筆頭に挙げられるのは寿司、天婦羅といったところだろう。しかし、2019年のテニスのウィンブルドン大会の会場で、売店の食事のメニューにある日本のカツカレーが、イギリス名物のフィッシュ&チップスを抑えて一番人気になったという。

「小麦粉を入れた日本のカレーは、明治時代にイギリスから伝わったものです。ただし、日本ではその後、カレーは独自の進化を遂げています」

 と語るのは、ケント氏である。

「50年前に来日した頃は、お金もなかったので、毎日のようにカレーを食べていました。福神漬けを山のように盛って食べましたよ。イギリスのウィリアム王子は、日本食が好きなことで知られています。中でも、カレーがお好みなのだそうです。ウィリアム王子が次に来日されたときは、『カレーハウスCoCo壱番屋』のカツカレーをぜひ召し上がっていただきたい。あまりの美味しさにきっと驚かれるはずです」

 外国人は生魚が苦手とも言われる。ケント氏は、初めて寿司を食べた時、抵抗はなかったのだろうか。

「生魚ということで、多少不安がありました。でも食べてみると美味しかった。欧米のSUSHIとはまるで別物ですね。SUSHIは裏巻き寿司が主流で、外側から白ゴマ、酢飯、海苔、具の順になるように巻いたものです。具はカニ風味カマボコやアボカド、キュウリを使います。クリームチーズを使う店もあります。日本人には気持ちが悪いと思われるかもしれませんが……」

 かつて、日本の寿司職人のドキュメンタリー番組を見たという。

「職人の仕事は、新鮮なネタを仕入れて寿司を握るだけではありません。何日のあいだ冷蔵庫で寝かせると最も美味しくなるのか、どう切れば食感が良くなるのか、常に研究を続けています。高級店はカウンター越しで寿司を提供しますが、寿司を客の皿に置くとき、どの角度で置くと最も美しく見えるか、そこまで研究しているのです。さすが日本の職人だと思いました」

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