「神村学園通信制問題」父母たち語る後悔 砂浜で練習、“本田圭佑が応援”も嘘

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強豪「神村学園」がレッドカードの淡路「サッカービジネス」(2/2)

 学校法人・神村学園高等部が開設した「淡路島学習センター」(兵庫県淡路市)は、プロサッカー選手の育成を目的とした全寮制の通信制教育施設である。高校サッカー強豪の“分校”として注目された同センターを舞台に、現在、元生徒と保護者が学園とセンター長の上船(うえふね)利徳総監督を訴える事態が起きている。学生たちが置かれた劣悪な環境のほどは前回を参照頂くとして、子息を預けた父母たちからは、口々に怒りと後悔の声が上がっている――。

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 学生の本分である勉強はおろか、最低限の住環境や食事が与えられなくても、生徒たちはしばらく耐え忍んだ。

 いったい何故か。原告の元生徒とその保護者たちを束ねる島根県在住の男性(35)は、その理由をこう話す。

「最初の話では、ドイツ人監督を招聘して、育成アドバイザーにはJリーグの京都サンガや浦和レッズの監督を歴任したゲルト・エンゲルス氏が就任するという説明だった。エンゲルス氏は最初の頃に練習を2回見に来たのみで、ドイツ人監督に至っては一度も顔を見せない。上船監督は『ビザの関係で遅れている』と言い訳を繰り返し、生徒たちを繋ぎとめたのです」

 原告の千葉県在住の男性(57)が話を継ぐ。

「わざわざ千葉まで上船監督がスカウトにやってきて、『息子さんをエンゲルスに会わせたい、僕に預けてくれたら絶対プロにします』なんて口説いてきた。話を信じて今は後悔しています。息子はJリーグの柏レイソルのユースチームに1次合格していましたから……」

 肝心のサッカー指導も推して知るべし。その実態を原告の一人である元生徒の母親(42)が明かしてくれた。

「息子は、上船監督と練習で顔を合わす機会が乏しかった。監督のユーチューブ撮影に生徒が駆り出される機会が多かったと聞きました。どうせ家で動画編集でもしていたのでは、と思ってしまいます」

 たしかに、上船監督は“キックマスター”なるチャンネルを開設して、キックの指導法を伝授するユーチューバーとしても活動。さらに東京でもサッカー教室を運営し、真っ赤なベンツのハンドルを握り、淡路から姿を消すことが多々あったそうだ。

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