蛭子能収さんに聞く バス旅降板の真相、太川陽介との仲、お金が欲しい理由……

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死にたくない

――著書の中には《『人間には寿命もあるのだろうし、そろそろ死んでもしょうがないのかな』とちょっとだけ思えるように》なったとあるが。

蛭子:やっぱり死にたくない。死ななきゃ、とにかく楽しいことはありますから。絶対それを経験したほうがいい。生きてりゃあ、どっかで楽しいことはありますよ。辛いとことのほうが多いと言う人もいるかもしれないけど、なんだろうな……とにかく悪いことばっかじゃない、と思います。

――競艇は今も通っているのか?

蛭子:以前に比べたら、全然行かなくなりました。

――お小遣い制になったから?

蛭子:それもあるし、自分自身でも十分行ったので、昔ほどは楽しめなくなった。行き過ぎて、競艇の刺激も薄れてきたのかなあ。

――公営ギャンブルには競馬や競輪など他にもあるが、なぜ競艇なのか。

蛭子:出身が長崎で、大村は競艇発祥の地ですからね。“スリル、スピード、高配当”ってキャッチフレーズが看板に大きく書いてありました。競艇が身近にあったんです。

――“帯封(100万円)”を獲るのが夢と聞いたが。

蛭子:無理ですね。80万円が最高ですね。昔はパチンコも好きだったんですけどね。あとは麻雀かな。

――賭け麻雀で捕まったこともあった。

蛭子:だから今は、健康麻雀。捕まってから、賭けてはいませんよ。それも、昔ほど面白くなくなったかもしれない。

――謝罪会見では「もう二度とやりません。賭けてもいいです」とも言っていたが。

蛭子:え? そんなこと言った? 自惚れてたのかな。

――今、一番、楽しいのは?

蛭子:そうですね……やっぱり競艇ですかね(笑)。だけど勝てないんですよ、全然。それがちょっと……。

――「死にたくない」には、《年齢とともにいつのまにか積み重ねていたプライドをあっさりと捨て去るだけで、「より豊かな人生」という果実が得られる》との名言も出てくる。

蛭子:オレそんなこと書いた?(笑) でもまあ、全然と言っていいほど、プライドはないと思います。プライドよりも1食のメシですね。お腹は減ってなくても、時間通り食べます。酒もたばこもやりませんからね。食べ過ぎには気いつけてます。

――今後は何をやっていくつもり?

蛭子:静かに生きていければ……物欲もないですし。ただ、お金は欲しい。

――物欲がないのに、どうしてお金を稼ぎたい?

蛭子:贅沢もしませんけど、稼いだ分だけ長生きができそうな気がする。長生きするにはお金が必ずいるわけですからね。

――今欲しいものは?

蛭子:お金かなあ。それで、生きたいだけ生きたいです。死んで楽しいってことは考えられないので、生きていることが絶対楽しいと思う。周りに迷惑はかけるかもしれないけど……。

週刊新潮WEB取材班

2020年2月1日掲載

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