勝新太郎は「真性のミュージシャン」だった 「不知火検校」で一気に変転
湯浅学「役者の唄」――勝新太郎(1)
1997年にこの世を去った勝新太郎(享年65)は、名優であると共に名歌手でもあった。音楽評論家の湯浅学氏が、勝の「唄」の魅力に迫る。
1982年に発表された勝新さん歌うアルバム「ザ・マン・ネバー・ギブ・アップ」をCD化したい、と思い、93年に勝プロモーションを訪ねた。本人の許諾を得るためだ。
勝新さんは、CDにしてくれるのはありがたいんだが、あのレコードにはちょっと気に入らないところもあるので録音し直したい、とおっしゃる。ほんとうは全部歌い直したいんだが、だめなら2曲だけでもいい。...