文在寅が作った韓国版「ゲシュタポ法」の中身 反日左派政権の永続に現実味
用意は「周到」
とはいえ、現実に公捜処の組織が立ち上がるまでには時間がかかり、早くて7月になると言われている。それまでの「空白の期間」だけは、文氏は「憎き尹検事総長」による捜査のメスに怯えなければならない。だが、そこに関しても文氏は「周到」だった。
「文氏の子飼いである女性法相が、『チーム尹』とも呼ばれチョグク捜査などを進めてきた検事32人を、今月13日付で一挙に地方に飛ばすなど左遷してしまったんです。この恐怖人事は、韓国では『虐殺人事』と呼ばれ、メディアでも〈検察人事の暴挙〉〈尹検事総長の手足を切った〉と酷評されています」(前出の韓国ウォッチャー)
組織と人事をフル活用し、決して自身に刃が向けられることがない体制を作る。まさしく独裁者に相応(ふさわ)しい横暴と言えよう。
さらに、文氏の権力維持への執念、言い換えると我田引水の狡猾さにはすさまじいものがあり、
「さすがに公捜処の設置には保守の野党が強硬に反対しました。そこで文氏は選挙制度改正を『エサ』に、四つの小政党を味方に引き込んで公捜処法案を成立させる『奇策』に出た。韓国では4月に国会議員選挙が予定されていますが、小選挙区では勝ちにくい小政党が票を伸ばしやすいように、これまでよりも比例代表で議席がとりやすくなる選挙制度に変える法案を、公捜処の件と合わせ重要法案として処理したんです」(同)
その結果、公捜処の設置を勝ち取った上に、
「小政党はもともと左派系でしたが、選挙制度を自分たちに有利に変えてもらった『恩義』から、選挙後はますます文政権に協力的になるでしょう」(李氏)
つまりは文氏の「一挙両得」。そして組織、人事、選挙、「三位一体」での独裁体制構築……。
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