日韓対立で「漁夫の利」にありつく者は(KAZUYA)
今更ですが、海外ドラマの「24」を見ました。
超人すぎる主人公のジャック・バウアーがテロの脅威と戦うストーリーで、1つのシリーズが24話で8シーズン、さらに12話の1シーズンがありますから、視聴するには膨大な時間を費やすことになります。しかしそれでも次が気になって止まらないのが「24」の魅力です。
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「24」はドラマですが、現実の世界情勢にすり合わせてみると中々面白いものがあります。
例えばテロ攻撃や陰謀によってある国とある国を争わせ、別の国が漁夫の利を得る構造です。
「24」のあるシーズンでは、ロシアの勢力が中国人の工作員(祖国に裏切られた恨みがあるため中国への破壊活動に加担している)を使って、乗っ取ったアメリカの防衛システムで中国の空母を撃沈し、米中戦争を引き起こそうとするものがあります。国力を費やす両国を尻目にロシアが漁夫の利で勢力圏の拡大を図ろうとするシナリオです。
現実の日本と韓国の対立も、両国が争うことで誰が得をするのかを考える必要があります。日韓関係が悪化して喜ぶのはまさに北朝鮮や中国のような国です。
多くは韓国側に問題があるため、日本が安易に妥協するわけにはいきませんが、どこかで折り合いをつけて、北朝鮮の問題や中国の脅威に協働で当たる必要があります。
アメリカとイランも年初から緊張が高まっています。イラン革命防衛隊で特殊部隊を率いていたスレイマニ司令官をアメリカが殺害し、イランがイラクにある米軍基地へ報復のミサイル攻撃を行いました。
第3次世界大戦勃発かなどという声も聞こえてきましたが、米軍に人的被害はありません。イランとしてもメンツがあるので、やられっぱなしでは終われませんから、一応一矢報いたという事実を作り、手打ちということでしょう。
対立がさらにエスカレートして、戦争状態になる可能性もゼロではありませんが、両国ともそんなことはやりたくないでしょう。イランとしてはアメリカとまともにやればひとたまりもありません。一方でアメリカは中東にばかり国力を注ぐと他が疎かになります。
米中対立が深まる中、イランと一戦交えるとなれば、まさに中国やロシアのような勢力は大喜びでしょう。そして資源面で中東への依存度の高い日本も死活問題になってきます。ここでも誰が得をするのかの視点が大事です。
日本もかつてアメリカと戦争をしました。第2次世界大戦全体で言うと、ヨーロッパからドイツが駆逐され、アジアでは日本の勢力圏が駆逐されました。
第2次世界大戦の最大の勝者はソ連でした。アメリカが日本とドイツをやっつけてくれたおかげで、空白になった両国の勢力圏に共産主義が入り込めたからです。ソ連もドイツとの戦いで大損害を被りましたが、勢力を拡大しつつ、日本に対しては火事場泥棒をすることで、相当な利を得ました。
対立によって得をするのはどの国か。常にこの視点を持ちたいものです。