石破茂「ゴーン逃亡を許した日本はテロ天国と呼ばれる日も近い」

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 X線検査が行われることなく、箱の中に隠れたカルロス・ゴーン(65)が、まんまと関西空港から飛び立ったのは既報の通り。こうした日本の警備態勢について、

「世界のテロリストは“何て素晴らしい国なんだ”と嗤っていることでしょう」

 と呆れ返るのは、『国防』の著書もある、自民党の石破茂・元幹事長だ。日本政府は現在、「人質司法」批判への反論に躍起であるが、

「それも大切ですが、先にやるべきことがある。まず出入国管理は一体、どうなっているの。マニュアルはどうなっていて、責任者は誰なのか。それをはっきりすべきなのに、追及が甘いように見えますね」

『国防』
石破 茂 著

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 高跳びの前段階に、ゴーンは国内を新幹線で移動しているけれど、

「防犯カメラ映像の公開・分析がなぜなされていないのか。そういったことも検証されていない。大晦日だろうがお正月だろうが、こうしたことが起きたら関係各所は即日対策会議を開くべきだし、目に見える形でセキュリティを強化すべきではないでしょうか。まずそっちが先で、口八丁手八丁のゴーンへの反論は法務大臣というより、もっと“しかるべき立場”の人が取り組まなくちゃいけません」

 と、返す刀で「宿敵」のあの人へのチクリ一言も忘れないのである。その安倍総理は、この年末年始、“国外逃亡劇”などどこ吹く風、とゴルフに明け暮れたが、

「それは私が批判することではありませんが……。とにかく、この国は国外逃亡可能な国ということが世界中に知れ渡ってしまった。放置していては、いずれ『テロ天国』と言われる日も近いですよ」

 と憂いは止まらないのである。

週刊新潮 2020年1月23日号掲載

特集「『ゴーンvs.日本』九つの大罪」より

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