月額4万円で地方の空き家や遊休別荘に住み放題 「ADDress」は地方創生の救世主になれるか

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地域運営やビジネスの拠点となるADDress

 ADDressは、若者不足に喘ぐ地方に福音をもたらす可能性もある。

「さまざまなエリアにある家をシェアしてお気に入りの場所で過ごすことで、そこに滞在者や地元住民とのコミュニティーが生まれ、地域の活性化にもつながるはずです。拠点の管理はADDressが家守に管理を委託し、清掃やゴミ出しなどをしてもらっているため、それも交流を促進する一助になっていると思っています」

 佐別当社長によれば、今や社会のあり方そのものが、中央集権型社会から自律分散化型社会へと移行しつつあり、それに合わせて国・自治体や町会、企業のあり方も見直さなければならない時代に突入しているという。

「今の地域は、自治体や町内会などの組織が運営していますが、少子高齢化が進む中で既存のやり方では立ち行かなくなってきているように感じます。そこで私たちが提案したいのが“分散化した個人が支える新しい家”です。従来、国や自治体、町内会、企業などが担ってきた役割を、今後はそうした拠点に住む分散化した個人が担っていく。あるいは、これまでは企業ができて仕事が生まれてきましたが、今後は個人が集まってきて仕事が生まれるという流れが出てくることも考えられます」

 家を持たず、いつでも好きなところで好きな仲間と仕事をする――。そんな生活スタイルを送る人が増えていけば、日本が抱える社会問題のいくつかは解決できるのかもしれない。

取材・文/星野陽平

2020年1月21日掲載

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