被害者のはずが一転「容疑者」に…悪質求人サイト詐欺にご用心!
令和の時代に突入しても、オレオレ詐欺が一向になくならないように、騙し騙され、いたちごっこは続く。今度は、中小企業を狙い撃ちした悪質求人サイトが詐欺行為を働いているのだとか。しかも、サイトを批判すると一転、被害者が「容疑者」になるという悪夢が――。
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「求人広告を無料で載せられますよ」
あらかた、この手の詐欺は甘言を弄した一本の電話で始まる。
連絡が突然やってくるのは、大手の求人サイトに求人募集を出している中小企業や歯科医院、個人経営の病院などだ。
「今年の3月、“ジモティーに出されている求人を見て連絡しました。こちらは求人サイトを運営している会社です”という電話をたまたま受けたんです」
そう語るのは詐欺被害に遭った教育関連会社に勤める山田雄平さん(仮名)。
「電話では、“期間限定、3週間だけ無料で掲載できます”として、インディードとも提携しているという説明をされました。そこで、無料期間だけ契約することに。相手の担当者は“契約終了のタイミングで連絡します”と話したので安心していたんです」
その後、掲載申込書と契約確認書がファックスで送られ、3週間だけという約束で、求人が掲載されることとなった。そして、山田さんは掲載期間終了の2日前に担当者に電話を入れた。解約したい旨を伝えるためだ。ところが、
「先方から“終了の4日前までに解約しないと自動で更新され、有料契約となる。契約金を払いなさい”と言われ、48万円を請求されました。確認すると、そもそもインディードとの提携も行われていなかった。これを詐欺と言わずしてなんと言うのでしょうか」(同)
似たような詐欺行為は昨年来激増していると、悪質求人サイト問題に取り組む高良祐之弁護士が指摘する。
「こうした会社は無料キャンペーンを謳い、有料契約へと自動更新される旨を説明せずに数十万円の高額請求をしてきます。しかも、期間終了の数日前までに解約しないと更新する条項を契約書に設けているのですが文字が小さい。私がこの問題に取り組むようになったのは昨年から。悪質求人サイトを運営する会社は30以上確認できており、被害件数は2千件は超えているものと思われます」
対岸の火事と思うなかれ、というわけだ。
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