ゴーン逃亡劇で日本は悪者か、欧米メディアの見方を「デーブ・スペクター」が解説
米は冷笑、仏は同情的!?
日本人は海外の反応を非常に気にすると言われる。2019年12月、日本時間の31日に「私は今レバノンにいる」との声明を出したカルロス・ゴーン被告(65)の逃走に関する報道は、その代表例だろう。
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試しに編集部のパソコンを使い、検索エンジンに「日本人 海外 反応 気にする」と入力し、ニュースを探してみた。するとトップ10本のうち何と3本が、ゴーン被告に関する記事だった。もちろんPCごとに違う結果が出るわけだが、表示順のリストをご紹介しておく。
◆「ゴーン被告記者会見・日本の当局はなぜ効果的な反論ができないのか」(YAHOO!ニュース:1月13日 ※江川紹子氏の署名記事)
◆「劇的な脱出に成功したゴーン被告 海外はどう見ているか」(Forbes JAPAN:1月5日 ※ピーター・ライオン氏の署名記事)
◆「ゴーン被告『逃亡正当化』日本の司法制度“痛烈批判” 『保釈中の逃走』法改正の動き」(MBSニュース:1月9日)
ちなみに他の7本はプロレス、外国人労働者、サッカー、カジノ問題とバラバラであり、時事性が低い記事もある。
ゴーン被告のニュースが3本も表示されるのは、やはり突出している。どれほど日本人が“前代未聞の逃走劇”について、海外の評価を知りたがっているか一目瞭然だ。
そうしたニーズに応えた記事の1つに、共同通信が1月9日に配信した「ゴーン被告会見、報道さまざま 各国メディア、肯定や皮肉」がある。レバノンに8日で開かれた会見を海外メディアがどう報道したかという記事だ。
《カルロス・ゴーン被告が逃亡先のレバノンで8日行った記者会見について、各国メディアの報じ方はさまざまだ。
フランスのフィガロ紙は、陰謀で投獄された後、脱獄して報復に出るアレクサンドル・デュマ作の物語に例え「現代のモンテ・クリスト伯(巌窟王)は全世界を魅惑する」と報道。レバノン英字紙デーリー・スターは、被告が「長く待ち望んだスピーチ」を行ったと伝えた。
米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は、スクリーンに資料を映しながら説明する様子を「企業のプレゼンテーションのよう」としつつ「文字が小さすぎて誰も読めなかった」と皮肉交じり》
ルノーの本社があるフランスは同情的、アメリカは意外に冷笑的――こんな傾向があるのかと読者は推測するわけだが、実情はなかなか見えてこない。
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