「ゴーン」大逃走劇の舞台裏 協力者に日本人、元グリーン・ベレーも
「グリーン・ベレー」も登場した逃走劇
今回の計画は約3カ月前から検討され、かかわっていたのは幾つかの国籍の15人ほど。彼らは調査のため20回以上訪日して国内の空港を下見。その中で、関空のプライベートジェット(PJ)専用施設はフライトがない場合は無人で、X線検査の機械が大きな荷物に対応していないことに注目し、関空が選ばれた。
ゴーンが前途に絶望し、“脱走”を最終決断したのはクリスマス前。
12月29日10時、元グリーン・ベレーとその関係者の2名が、結果的にゴーンを収容することになるスピーカー搬入用の「黒い箱二つ」を載せ、ドバイからPJで関空に到着。他方、ゴーンはその日の14時半ごろ、東京・港区の制限住居を出た。その後、警視庁関係者によると、
「ゴーンと元グリーン・ベレーらの計3名は六本木のグランドハイアットで合流。16時半ごろに品川駅に現れ、新幹線に乗車。19時半ごろに新大阪駅に到着し、タクシーを使って関空対岸のスターゲイトホテルに向かったようです」
関空の防犯カメラはゴーンを捉えていない。その点から、「黒い箱」は一旦、空港外へ運び出され、ゴーンとホテルで落ち合った。彼はその中に入って乗客である元グリーン・ベレーらの手荷物となって関空に向かった。“人間”ではないから出国審査もなく、X線検査を通過することなくPJに運び込まれたというわけだ。
「大きな荷物に対応していない関空の態勢もさることながら、不特定多数の乗客がいるわけじゃないのでX線検査のハードルがより低くなったと思われます」
と、関係者。
「PJが安定飛行に入った後、ゴーンは箱の外に出た。同乗するフライトアテンダントには“秘密の話があるから”と客室内への入室を拒否した」
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