「ゴーン」大逃走劇の舞台裏 協力者に日本人、元グリーン・ベレーも

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 アメリカ人でもレバノン人でもない。防犯カメラの映像を解析する捜査関係者は、カルロス・ゴーン(65)の前に現れた日本人に目を瞠(みは)ったという――。

 師走の寒風と共に日本から去ったゴーン。特別背任などの罪で起訴された彼は昨年4月に保釈となり、東京・麻布の制限住居で暮らしていた。それが突然、大晦日になって「私は今、レバノンにいる」との声明を出したのだ。その衝撃は世界を駆け巡った。

「ゴーンを起訴した東京地検も大混乱でした」

 と、司法記者が振り返る。

「12月29日に制限住居を出てから関西国際空港をプライベートジェットで発ち、トルコ経由でレバノン入りしたのも、海外の報道で把握したほどです」

 ただ、と、ある検察関係者は声を潜めて話す。

「制限住居は旧三井財閥関連の豪奢な一戸建て。日産自動車は警備会社に依頼して、探偵にゴーンの動静を見張らせていました。実は東京地検も保釈後からウォッチし、行動確認も行ってきた。やつは弁護士の事務所であれば電話やパソコンも使えたし、国内であれば1泊2日で出かけられました。それに、日頃は都内でかなり自由に動き回っていたんです。港区内の外国人向けのクリニックを訪れ、麻布や広尾の高級スーパーへも通っていた。娘さんと一緒に銀座や有楽町で買い物し、都内のホテルでフランスのフィガロ紙の記者とも会っていました」

 そして昨秋、世界を仰天させることになる計画を練りはじめたという。先の検察関係者はこう明かすのだ。

「うちは、制限住居に出入りする人物を撮影して特定する作業も行っていました。年末に見張りを外していたのが悔やまれますが、その作業では、大晦日にゴーンの声明を発表したアメリカ人の出入りも確認しています。特筆すべきは、逃亡計画の“協力者”らしき日本人男性も出入りを重ねていたという事実です」

 日本人が関与……。

「現在、警視庁捜査1課のハイテク犯罪捜査係が防犯カメラをリレー形式でつなぎ、全容を捜査しています。監視の目がないことを確認したゴーンは帽子にコート、マスク姿で制限住居から出ている。そして品川で新幹線に乗って新大阪、関空に到るまでに、協力者たちと合流した。この間、その日本人とも接触する姿をカメラは捉えていたのです。男性は芸能事務所の関係者ですよ」(同)

 当局はこの男が果たした役割の解明を進めている。

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