貴乃花が見え隠れする青学裏口入学トラブル 巡業部長時代に“青学場所”を開催
太いタニマチ
貴乃花と親しい角界関係者によれば、
「建設業を営む新藤さんは貴乃花の太いタニマチとして一部では知られた存在です。ふたりはかなり以前からの付き合いで、その縁もあって彼は、16年の理事長選で貴乃花を支持した山響(やまひびき)親方のことも後援していました。新藤さんと貴乃花の関係は相撲協会を退職してからより深くなった。貴乃花にすれば、引退後の生活を経済的に支えてくれる有り難い存在だったのは事実。新藤さんとしても、大横綱の知名度をどこかで利用しようと考えていたのかもしれません」
貴乃花と元妻・河野景子氏の間には、長男の優一氏とふたりの娘がいる。そして、3きょうだいはいずれも青学に通っていた。
となれば、子どもの青学入学を熱望する新藤氏が、引退以前から付き合いのある貴乃花に相談を持ち掛けた可能性は十分にあるように思える。
実際、青学幹部に接待攻勢を仕掛けている最中にも、新藤氏は貴乃花と行動を共にしていたのである。
それが、冒頭で述べた青山キャンパスでの夏巡業、その名も「渋谷青山学院場所」でのことだった。
ベテラン相撲記者が振り返るには、
「都内の大学キャンパスでの巡業は、これが初めての試みでした。八角理事長によれば、青学に子どもを通わせていた、当時の貴乃花巡業部長と伊勢ヶ濱親方の強い働きかけで実現したという。引退する前の横綱・日馬富士(伊勢ヶ濱部屋)も巡業に参加していましたが、娘が付属の小学校の生徒だったこともあって大喜びでしたね。昨今の相撲人気を考えれば、誘致合戦は熾烈で、巡業先の候補地はかなりの数にのぼります。そのなかで青学が選ばれたのは、巡業部長として八角理事長に強く推した、貴乃花の意向が物を言ったからですよ」
新藤氏はこの巡業で、青学の幹部たちに大横綱との人脈を披露し深い関係を強くアピールしている。しかも、「青学場所」が開催されたのは、新藤氏の妻が堀田理事長をはじめとする青学のお歴々と会食したわずか8日後のことだという。
先の青学関係者が続ける。
「貴乃花が青学に縁があることは知っていましたが、何しろ国民的スターですからね。いきなり紹介されたのでビックリを通り越して、呆気にとられてしまった。こんな大横綱と知り合いだなんて新藤さんは凄い人脈をお持ちだな、と。立派な仕事をされているんだろうと思いましたよ。その時は、彼の息子さんの受験については一切話題にのぼりませんでした。とはいえ、青学肝煎りのイベントで、巡業部長の貴乃花を紹介してくれたのだから相当なアピールになった。彼は他の学校関係者にも貴乃花を紹介していましたね」
新藤氏が一部の青学関係者を伴って昼食をとった際にも、貴乃花は同席していたという。
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