ロッテは今や“パ・リーグの巨人” 井口監督“大型補強と遺物整理”で長期政権へ

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前監督の“色”を消す

 ロッテは昨オフ、丸獲得へ「4年総額20億円」を用意したと言われている。浮いていた丸資金を“丸々”転用したようだが、それにしても今オフは年俸更改での大盤振る舞いが目立つ。

 FA宣言せずに残留した益田直也投手とは新たに3年6億円プラス出来高で契約した。レアードの年俸は1億2千万円だったが、2年契約を結んで年俸は倍の2億4千万円となった。

 それだけではない。今季は4勝に終わったものの、昨季は13勝でリーグ最高勝率をマークしたボルシンガーを惜しげもなく解雇。前楽天・フランク・ハーマン投手を1年契約9000万円、元広島・ジェイ・ジャクソン投手を1年契約1億2000万円で獲得した。

 来季へのお膳立てである。

 伊東勤前監督の“色”を消すことにも成功した。鈴木大地内野手の楽天へのFA移籍、そして涌井秀章投手の金銭による楽天へのトレードである。

 鈴木は今季、開幕戦をベンチスタートで迎えた。バルガスや井上の不調もあって起用の場を得たが、その起用法は「便利屋」。主に一塁を守ったが全内野、左翼でも起用された。

 涌井は今季3勝7敗、防御率4・50に終わった。鈴木には一部コーチとの衝突があったという。涌井は投手陣若返りの中で居場所がなくなっていた。出るべくして出て、出されるべくして出されたとみられる。

「2人に共通するのは伊東前監督からかわいがられた選手ということです。鈴木は抜てきされてここまでのし上がってきた。いまでも伊東前監督を恩人と言っています。涌井にしても西武からロッテにFA移籍した際は伊東前監督の存在があったからです。庇護(ひご)者がいないと力を発揮できないタイプのようで、伊東前監督はうるさいことを言わなかった。気心の知れた石井GMの楽天は言うことなしです」(スポーツ新聞デスク)

 大補強に気をよくしている井口監督はオフのさまざまなイベントのあいさつで「来年は優勝する予定です」と宣言している。

 長期政権の足場を固めて、来季求められるものは最低限Aクラス入りの優勝争い、もしくはスッキリとリーグ制覇、日本一だ。

 来季、ロッテが勝率1位でリーグ優勝となれば、1974年以来となり、井口監督が生まれた年でもある。

 もっとも、「予定は未定」とも言うが…。

週刊新潮WEB取材班

2020年1月7日掲載

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