「女性宮家」を声高に主張する「朝日新聞社説」の本音を読み解く

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 天皇陛下と皇后さまが一代に一度の大嘗祭に臨まれて間もない11月18日付の朝日新聞朝刊に「皇室制度の今後 政治の怠慢に終止符打つ時」と題する社説が載った。冒頭には「皇位継承のあり方など皇室制度をめぐる諸課題について、政府は検討を先延ばししてきたが、これ以上の放置は許されない。開かれた場での議論をすみやかに始めるべきだ」とある。「これ以上の放置は許されない」のはその通りかもしれないが、問題は「何を検討するか」である。

 同紙はこの社説で次のことを主張している。まず、7年前に当時の民主党の野田佳彦内閣が打ち出した「女性宮家」構想の検討を急ぐよう促している。巷間よく言われているように、男性皇族の減少によってこのままでは皇室活動の維持や存続が立ちゆかなくなるのは明らかだというのがその理由だ。そして、「象徴天皇制を続けていくのであれば規模の維持は不可欠であり、現実的な策として女性宮家問題に結論を出すことを優先すべきだ」と主張する。「象徴天皇制を続けるためには」ではなく、「象徴天皇制を続けていくのであれば」という表現がいかにも朝日らしいのは気になるが。

 二つ目は、「旧宮家の男性を復帰させる」ことについての完全否定である。「600年前に天皇家から分かれた親王の末裔であり、戦後ずっと民間人として生活してきた人々だ。今さら皇族の列に戻し、国民が成長を見守ってきた女性皇族を飛び越えて『国民統合の象徴』の有資格者とすることに、幅広い賛同が得られるとは思えない」と言う。これも、巷でよく聴く主張である。

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