「NHK」職員年収は1千万円、3千億円も貯めこむなら受信料を下げよ

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 来年早々、新会長が誕生するNHK。「ネット常時同時配信」に“待った”をかけられるなど課題は山積みだが、まず為すべきは受信料の値下げであろう。厳しい取り立てによって収入は大幅増。実に3千億円近くを「内部留保」として貯めこんでいるのだから。

 妻に家計を管理される夫。懐は決して温かくはないのに、毎月毎月、「必要だから!」とそれなりの額の生活費を天引きされる。ホントにそんなに必要なの? 家計簿を見ると、妻は知らぬ間にごちそうばかり食べていたし、高級ジムに通っていたこともわかった。それでもお金は余って結構な額の“へそくり”まであるじゃないか……。思い余って支払いを拒否すると、無理やり財布を奪われた……。

 今の受信料を巡る状況を、NHKを妻、視聴者を夫に例えるとこういった格好になるだろうか。

 受信料収入は近年、右肩上がり。膨張したその収入を番組制作費や職員の給与に投じ、その上で、さらに余った金を“塩漬け”にしているのだから……。

「公開されている財務諸表を見て、その金の余り具合に驚きました」

 とは、NHKの財務を分析した、金融ジャーナリストの伊藤歩さんである。

 NHKの最新、2018年度の受信料収入は、7235億円に上る。これは過去最高の値。しかも5年続けて最高値を更新中という。これはもちろん、

「8年前から、未契約世帯を裁判に訴えてまで徴収を強化した結果です。ビジネスホテルの一室一室のテレビにまで徴収するようにした。2年前には、NHKとの受信契約の義務付けを、最高裁が合憲と判断した。これで追い風が吹いた」(経済誌記者)

 全国の支払い率はここ10年で10%上がり、昨年度は過去最高の81%に上っている。

 では、こうして得た7200億円は、一体何に使われているのだろうか。

「注目されるのは、事業キャッシュフローの額です」

 と伊藤さんが続ける。

「これは1年間を通じて、手元に残るお金のこと。昨年度は1216億円に上りました。つまりNHKは、集めた7200億円を人件費や番組制作費などに使ってなお1200億円も余らせています」

 NHKはこのうちの多くを老朽化した地方局の改修や放送設備の更新などに使い、それを差し引いた約600億円を国債や地方債といった有価証券の購入に使っている。

 伊藤さんが続ける。

「この傾向は数年続いています。結果NHKの資産には、現金や有価証券が貯まっている。約1兆2千億円の総資産のうち、半分を超える約6500億円が現金や有価証券です。これらの多くの部分は放送業務に使われていない、ただ貯めているだけの金となっている。これは大変な問題だと思います」

 こんな調子だから、いわゆる「内部留保」に当たる「剰余金」も貯まる一方。その額は03年度に約500億だったものが、昨年度は約3千億と6倍にもなっているのだから驚くほかあるまい。

「上場企業なら株主が黙っていない額ですね」(同)

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