日本製品ボイコットで “韓国版ドン・キホーテ”は自爆? 激戦区でダイソーに軍配

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注目を集めた「ピエロショッピング」の撤退

 ソウル旧市街の中心に位置する明洞(ミョンドン)は、韓国を代表する繁華街の1つ。日本人旅行者のほとんどが足を運ぶ観光のメッカであり、近年は韓国コスメやSPAブランドが活況を見せてきた。韓国ではまた、テナント料がトップクラスの激戦区としても有名だ。

 その明洞で最近、人気を博していたショップや飲食店が相次いで店をたたみ始めている。韓国コスメはこれまで中国人観光客の人気を集めていたが、中国でのOEM生産が進んだため明洞で買う必要性が乏しくなったそうだ。そのほか撤退の要因は業種ごとにさまざまだが、2019年10月に入って前年同月比-14.4%となった日本人観光客の減少も影響を及ぼしているといわれる。

 そうしたなかで特に閉店の知らせが話題となったのが、明洞のど真ん中で派手なエクステリアが人目を引いた「ピエロショッピング」。これは日本の「ドン・キホーテ」のコンセプトをそっくりコピーした韓国のディスカウントストアチェーンだ。同じ建物にダイソーが入店していることから、両者の「対決」が現地メディアでも注目されていた。結局ピエロショッピングの撤退が決まったことで、ダイソーに軍配が上がった格好だ。

ライバル入店にも動じなかった「ダイソー」

 ピエロショッピングは、2018年6月開業。運営は韓国のディスカウント大手「e-mart」だ。親会社・新世界グループのチョン・ヨンジン副会長の発案で、ドン・キホーテを念入りに「ベンチマーク」したことが話題を集めていた。雑多な品揃えやインテリアから手書き風POPまで忠実に模倣しており、現地メディアでも「韓国版ドン・キホーテ」と呼ばれたほどだ。

 その明洞店がオープンしたのは、2018年12月。もともと地下1階にダイソーがあったビルの地上1~4階で開業し、ディスカウントストア同士が真っ向から競合する形となっていた。

 ピエロショッピングは当初、見た目の派手さや話題性も手伝って1日あたり平均8000~1万人を集客。だが売上にはあまり結びつかなかったらしい。ほどなくブランド品などを並べた1階売り場を食品コーナーに改めるなど、試行錯誤を余儀なくされた。

 一方のダイソーは、ピエロショッピング明洞店の開業前後を通じてさほど影響を受けなかったと報じられている。むしろそれまで入り口が目立たなかったのが、派手なピエロショッピングの看板がかえって集客に役立ったらしい。

 ピエロショッピングは明洞店を含めて計8店舗を展開したが、どこも振るわなかったようだ。e-martは昨年12月20日、早々とピエロショッピング事業そのものの終了を宣言している。

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