巨人、総額50億円の「大型補強」を検証 成功だったのか、それとも…

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「のびのび野球」を合言葉に原辰徳監督が3度目の就任をはたした巨人は、5年ぶりのV奪回を目指し、FAやトレード、新外国人獲得など総額50億円規模ともいわれる大型補強を行った。その結果、2019年は日本一こそ逃したものの、2位・DeNAに5.5ゲーム差をつけ、V奪回に成功した。

 成功組の代表格は、広島からFA移籍してきた丸佳浩だ。カープの3年連続Vの原動力となった打線のキーマンは、移籍1年目も打率2割9分2厘、27本塁打、89打点と3番打者として安定した成績を残した。そんな丸が独特の“あっち向いてホイ打法”で、V目前のチームに大きな1勝をプレゼントしたのが、9月12日のDeNA戦(横浜)だった。

 3対1とリードした4回表1死二塁、丸は2ストライクから武藤祐太の真ん中高めストレートをコンパクトに振り抜いたが、相手バッテリーも審判もスタンドのファンも右翼席上段目がけて飛んでいく打球をひたすら目で追いつづけている最中、丸の顔は正反対の三塁ベンチ側を向いていた。ネクストサークルの岡本和真も「(顔の)余韻が凄いっすね」と驚いた珍打法は、まさに“あっち向いてホイ”のポーズ、そのまんまだった。さらに6対3の8回表にも同じ打法から左越えにダメ押し2ラン。2位・DeNAとの直接対決を8対5で制した巨人はマジックを「7」に減らした。

 ちなみにこの打法は、ツイスト打法と呼ばれ、チームメートの阿部慎之助が取り入れていたもの。打つ瞬間に腰を逆方向に捻ることで、体を開かずに最短距離でバットを出すことができるのが特徴だ。9月初めに22打数2安打と打撃不振に陥った丸が、阿部に勧められて、「わらにもすがる思いで始めてみた」のがきっかけだった。導入後、この日を含めて4試合で15打数7安打と絶大な効果に、丸自身も「ここまで結果が出るとは。ビックリ」と目を丸くした。

 しかし、ソフトバンクとの日本シリーズでは13打数1安打の打率0割7分7厘に封じ込められ、シリーズワーストの12三振を喫した広島時代の前年同様、“逆シリーズ男”というありがたくない異名を頂戴した。

「(12打数無安打のあと)最後に1本出たけど、あれを来シーズンにつなげないと」の反省を生かし、2020年は“シリーズ男”と呼ばれたいところだが……。

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