松竹に「キムタク映画」めぐりトラブル 「約束反故に」脚本家が提訴
2020年に会社設立から100年という節目を迎える松竹がトラブルに見舞われている。映像部門トップの常務がキムタク主演の映画製作を約束したにもかかわらず、反故にされたと脚本家から訴えられたのだ。
東京地裁に昨年の10月、松竹を相手取って提訴したのは、武知鎮典(たけちしげのり)氏(77)。ヤクザ映画やVシネマを手掛け、三池崇史監督作品でベネチア国際映画祭に招待されたこともある脚本家だ。
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「ここまでしてきたのに、筋も通さず、謝罪の一言もない。だから訴えたのです」
と、当の武知氏は怒りを滲ませる。発端は14年の春、松竹で映像部門を司る常務に4本の脚本を見せたことだった。
「彼はそのうちの1本を気に入り、同じ年の秋には“年内に映画として企画を立ち上げる”と言ってくれました。そこから月に2回ほどのペースで打ち合わせが始まったのです」
脚本は昔話の桃太郎をモチーフにした「桃太郎降臨」というタイトルだった。
「すると、翌年には常務が“木村拓哉主演、10億円の製作費で映像化を検討している”とまで言う。そこで少年だった設定をキムタクに合わせて3カ月ほどかけて書き直しました。さらに撮影に向け、制作会社の社長も彼に紹介したのです」
常務は松竹の大御所、山田洋次監督とも親しく、「男はつらいよ」の会見にも同席するなど、業界では“山田番”としても知られている。会社の役職とも相まって、企画が進むと考えるのは当然のことだった。
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