刑務所で受刑者は年末年始をどう過ごすのか おせち料理も用意、贅沢という指摘も…
日本では、多い時で年間230万件ほど検察に身柄ないし書類が送られる。その中で刑務所に収監されるのは年間3万人ほどである。つまり、仮に警察のお世話になったとしても、刑務所に送られるのはたった2%にも満たない。ましてや、真面目に暮らしていれば、刑務所は間違いなく無縁の場所である。そんな知られざる世界での生活をリアルに再現してくれる新書「もしも刑務所に入ったら」(ワニブックス)が発売された。著者の河合幹雄氏に受刑者の生活、そして年末年始の過ごし方について聞いた。
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まず、刑務所に入るとき、受刑者には絶対避けては通れない“儀式”が待ち受けている。
「“検身”と言われているもので、刑務所内に危険物を持ち込んでいないかボディチェックが行われます。受刑者は全裸にされ、複数の刑務官に囲まれて、サインペンほどの大きさのガラス棒を尻の穴に突っ込まれる。これで受刑者は人間の尊厳が失われ、プライドはズタズタに打ち壊されます。検身は、江戸時代から続いています。肛門はほぐせば何でも入る。剃刀やヤスリなどを埋め込んだ石鹸を入れることも可能ですからね」
と解説するのは、著者の河合氏である。同氏は、法務省刑事施設視察委員会委員長として、刑務所だけでなく少年院や女子少年院など、全国の矯正施設を視察してきた。「日本一、刑務所に入った男」である。
刑務所の一日は、午前6時45分の起床から始まる。受刑者は起きるとすぐに、敷布団、掛布団、枕、寝間着の順に綺麗に畳んで重ね、正座の姿勢で点呼を待つ。7時に開房点検(点呼)があり、それが終わると、配食係が朝食を配る。
「刑務所の食事は、朝、昼、夕の3食で計400円ですので、最も安い食材を使っています。米は古々米で、麦を3割まぜています。昔は麦6白米4の時代があって、刑務所を“ムショ”と呼んだのはこの割合にちなんだとの説もあります。食事には必ず汁物がついていて、基本は味噌汁ですが、吸い物やぜんざい、ラーメンがつくことも。そして、とんかつやカレー、おでんなどのメインメニューが1品、サラダや漬物などのサイドメニューが3品ほどついてきます。調理をするのは受刑者で、腕っこきの料理人がいるので、決して不味くはありません」
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