2019年連ドラ「年間ワースト3」を選出 不作の年で同率1位が7本の異常事態

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 コラムニストの林操氏による2019年連ドラ・ワースト篇は、複数作品が競合する激戦に。どうやら、ドラマ不作の年だったようで……。

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アナ:非国民生活センターTV主席研究員の林操さんと振り返る2019年の連ドラ、続いてワースト3篇をお送りします。さっそく3位から!

:ドゥルルルルルルル……って、ドラムロール要らないか、ワーストだし、3位だし。はい、2019年連ドラワースト3位は1~3月期・フジ系(関西テレビ制作)・火曜9時、「後妻業」です!

アナ:やっぱり来ましたか、「後妻業」。いろいろ厳しかったですもんね、「後妻業」。

:なんだか、子供のころ悪さをして親にバレて、さぁ叩かれると覚悟しているところに本当にビンタが飛んできたような、そんな顔してるね。

アナ:本当にそんな気持ちです。来るだろうなと思っていて、来たら嫌だなとも思っていて、実際に来てみたらやっぱり嫌だったという。

:あはははは、アナタもそこまで苦手なんだ、「後妻業」。それってもう思い出したくないレベルだよね。

アナ:はい……。

:黒川博行の原作を最初に読んだとき、映像化難度の高い小説だなぁ、画にするなら今は亡き市川昆くらい対象を突き放して撮れるディレクターが手がけないと見るに耐えないグロ物件になるぞと思ったもんですが、その後、実際に世に出た映画版もドラマ版も、あいにくそのとおりの出来でした。抽象的な話だから映像化が難しいというのとは正反対で、あまりに具体的・即物的すぎてね。

アナ:資産家の高齢者の後妻に収まって夫を殺し、遺産をせしめる常習犯の女が主人公という物語ですからね。

:その主人公、映画で演った大竹しのぶさえ持て余すほどだったのに、ドラマ版で演じたのはヒガシのカミさんこと木村佳乃。あの原色の衣装と蓮っ葉な台詞回しは、安酒を呑み過ぎた後の悪い夢の中に出てくる歪んだ宝塚の舞台のように、非現実的で気色悪くて、感情移入できませんでした、ワタシの場合。

アナ:ひどい比喩ですが、でも、よぉくわかってしまいます、残念ながら。

:あ、ワタシ、木村を非難してるわけじゃないのよ。責められるべきは、あの原作を選んで、木村をキャスティングして、かつワザもカネも惜しみまくった関テレ(制作担当の関西テレビ)。木村はむしろ被害者でしょう。当人はなんだか楽しんでた気配もあるけど。

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