「いきなり!ステーキ」と「大戸屋」テレビ取材が裏目 ブラック企業と呼ばれる共通点
TBSとテレ東の報道で批判が加速
だが、社長の釈明で沈静化するかと思いきや、投稿も拡散も止まらなかった。それどころか、「いきなり!ステーキはブラック企業」という新しい“悪評”も広まっていく。
渋谷店の張り紙が話題になってからしばらくすると、従業員向けの内部文書も同じようにツイッターへ流出したためだ。文書の内容は不評を買い、ネット上で“怪文書”と揶揄された。
「内部文書は一瀬社長の言葉として、《私達は、本当に恵まれていると思いませんか》、《お客様のご来店によって支払われるご飲食の代金が皆さんのお給料になるのだと実感できていますか》という問いかけで始まっています。しかし結論として提示したのは、《皆さんのご両親、兄弟、友人にもお店に来られる様に進めて下さい》と身内の来店を呼びかけるものでした。これにツイッターでは、《従業員の身内にいきなりステーキ(註:原文ママ)を利用してもらうってポケットマネーで自社商品買って売り上げ維持するブラック企業と変わらないのでは》などといった異論が相次いだのです」(同・記者)
張り紙と内部文書が話題となったことで、埋もれていた過去の事案も“発掘”されてしまった。一瀬社長は昨年7月、「坂上&指原のつぶれない店」(TBS系列・日曜・18:30)に出演したのだが、その時に放送された内容が今になって論議を呼んだのだ。
「『つぶれない店』のテレビ画面をキャプチャした写真と共に、番組内容を紹介するツイートが『ブラック企業』という評価と共に広がっていきました。批判が集まったのが、一瀬社長が出席する朝礼です。点呼が行われると、出席した社員は番号を叫ばなければなりません。10人でも100人でも点呼は行われます。そして一瀬社長が『声が出るのが遅かった』などと不満を感じると、何度もやり直しをさせられるんです。TBSが放送した内容が紹介されたツイッターでは、《無意味》、《クソ朝礼》、《刑務所》と散々でした」(同・記者)
次の大戸屋だが、こちらは12月10日、「ガイアの夜明け」(テレビ東京系列・日曜・22:00)で自社の密着ドキュメンタリーが放送されたことが悪評の発端だった。
「どれだけ大戸屋が取材を歓迎していたかは、社のツイッターに《ついに今晩‼ 大戸屋が経済ドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」に登場します》、《あ~!放送直前の今、とってもドキドキしています‼ ぜひご覧ください》などと投稿されたことからも明らかです。内容は3人の店長に密着するというもので、残業時間の削減に苦労する様子をリアルに描いていました。ドキュメンタリー番組としては質の高いものだったと思いますが、SNSでの受け止めは異なりました」(同・記者)
批判が集中したのは、大戸屋ホールディングスの取締役と株式会社大戸屋の代表取締役社長を務める山本匡哉氏(46)が、店長を叱責する場面だった。
「40代以上の会社員からすると、山本社長の叱責に違和感を覚えなかったかもしれません。罵声とか威圧するような雰囲気ではありませんでした。ただし店長に言った『本気になってる? 目が死んでるんだけど』、『空回りなんだって努力が、このままじゃお店なくなるよ?』、『その時は当然、今まで頑張っていようが店主を降ろすしかないよ』などの注意が威圧的と受け止められたようです。ツイッターでは『残業時間の削減は全社的な取組であるはずなのに、山本社長は現場の店長だけに責任を押し付けている』と批判が集中しました」(同・記者)
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