栄和人氏、監督復活のウラのウラ お粗末だったテレビメディアの報道

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告発の根幹は否定した第三者委員会

 協会の第三者委員会は昨年4月、「警視庁への出入りを禁じた」など告発の根幹部分すべてを否定したが、調査で出てきた別の事実として(1)2010年2月、東京のナショナルトレーニングセンター(NTC)で合宿中の伊調馨に「俺の前でよく練習できるな」と言った(2)同年5月の北京アジア大会で伊調より成績の悪い選手を選び、伊調を外した(3)同年9月、モスクワでの世界選手権中、栄氏と袂を分かった伊調を指導する警視庁の田南部コーチに「伊調の指導はするな」と言った(4)2015年11月、合宿を抜けた田南部に激怒し「出ていけ」と叱責した、の4点を「パワハラ」と認めた。

 だが、フジテレビなどは告発内容の根幹が否定されたことより、「認定部分」ばかりを拡大して「パワハラだ。伊調選手に謝罪すべきだ」と栄氏を叩いた。栄氏は強化本部長を辞し、理事会で栄氏の常務理事職も解かれる。告発状が強調した栄氏や会長のピンハネなど金銭面について第三者委は「調査の範疇外」として内閣府に委ねたが事実はなかった。

 告発状と第三者委員会の報告書を読むと、裁判なら提訴側の完敗だ。だからこそ告発側は司法の場ではなく内閣府という「政治の場」に訴えた。第三者委員会の弁護士らも栄氏を「お咎めなし」にすれば批判の矛先が自分たちに向きかねず、パワハラの定義を拡大して4つを無理やり「認定」した。

 それでも報告書はこう締めている。「振り返って本件をみると、いろいろな人が自分の思惑の下に行動し、互いに軋轢を生じさせている。どれ一つをとって見ても、小さい、せせこましいというのが正直な感想である」。要は「子供の喧嘩」と言いたいのだ。所詮、その程度の話なのに名伯楽は「針小棒大報道」に潰された。

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