文在寅政権と韓国芸能界で相次ぐ自殺の関係 「悪プル」「指殺人」がなくならない社会

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安易な経済政策で過去最悪の就職氷河期に

 ハラが自殺する10日前、韓国では日本のセンター試験にあたる大学修学能力試験が行われた。毎年、この日は体が凍りつくほど寒くなるというジンクスがある。今年も例外ではなく、日中の気温は氷点下2度という寒さだった。

 その冷え込みはまるで受験生の未来を暗示しているかのようだ。大学に受かったところで果たして何割が希望の企業に就職できるのか。経済が良くなる兆しはなく、むしろ今後もっと悪くなるだろうと学生たちも想像しているという。

 韓国観光公社で働く40代の女性は「日本人と比べ、今の韓国人には“人生を楽しむ”という感覚がない」という。

「自分が子供だった頃と違い、最近では小学校から塾に通うのが当たり前。学生時代も競争が熾烈で、必死に生きて勉強しなければ人より遅れをとってしまう」

 たとえ大学に入学できても、迫りくる就職活動もまた“戦争”といわれるほど過酷だ。「特にこれからの若い世代はかわいそう」と彼女は懸念する。

 というのも、若者たちの支持を得て誕生した文在寅大統領だが、人気取りのための経済政策は悲惨な結果を招いたからだ。「労働者の生活を良くする」と急激な最低賃金の引き上げを行ったものの、これに企業は悲鳴を上げた。そもそも売上が伸びないのに人件費だけ膨らんでいくのだから。

 当初は最低賃金の引き上げに多くの労働者が歓喜したが、企業が人件費を抑えるため雇用を減らすという本末転倒な結果となった。失業率の上昇に拍車がかかり、中央日報が「新卒大学生でさえ正社員として就職できるのは10人に一人」と報じたほど。

 12月16日、文大統領は「雇用は改善している」と口にしたが、高齢者と短期雇用が増えただけという指摘もある。

 この就職氷河期に、運良く正社員として入社できたとしても会社がいつまでも安泰とは限らない。今も働き盛りの30~40代の就業者数が減っており、50代の会社員もリストラの恐怖にさらされている。

 果たして自分は豊かな人生を送れるのだろうか。そう考えた場合、韓国社会で勝ち残るのは相当大変なことだろう。そんな不安を払拭するために多くの国民が文大統領に期待を寄せていたが、その現政権の経済政策で自分たちの就職がより困難になるとは夢にも思わなかっただろう。

「心に余裕がないせいか、他人よりも自分だけが大事で、人々から優しさや思いやりが徐々になくなっている感じがする。生まれてくる国は選べないから、私はせめてこの時代に生まれなくてよかったとしみじみ思います」(前出・韓国人女性)

 別の30代女性もこうした背景から「ネット上での悪質な書き込みはなくならない」と断言する。

「景気悪化に伴い、気づけば自己顕示欲の強い人を生み出しやすい社会になっている。ネット上では他人を追い詰めて自分を優位に立たせようとする人が多い。実生活では負け組でも、ネット上では誰でも相手を攻撃し、自分が優位に立つことが可能だから」

 まさに、今の韓国のストレス社会がそうさせているのだ。

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