5-0で大勝の香港戦 森保ジャパンのゲームプランが嵌まった3つのポイント

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韓国vs香港戦は2−0

 サッカー選手に限らず多くのアスリートは、経験を積めば積むほど、過去の実体験から慎重になる傾向が強い。その点、経験の浅い伸び盛りの若手選手は、怖い物知らずのため思いきったプレーができる。香港戦はそのプラス面が前面に出た試合だった。

 森保一監督(51)は初戦の中国戦からスタメン11人を入れ替えた。対する香港のミクス・パーテライネン監督(52)は「疲れてる選手もいるので外した」と8人の選手を入れ替えてきた。

 結果は1トップの小川航基(22)[水戸ホーリーホック]が、A代表デビュー戦でハットトリックという快挙を達成した。過去には2010年1月のアジア杯最終予選のイエメン戦で、平山相太(34)が記録して以来3人目という珍しい記録でもある。

 そして鮮やかなボレーで先制点を決めた菅大輝(21)[北海道コンサドーレ札幌]、左CKからヘッドで2点目を決めた田川亨介(20)[FC東京]も、いずれもA代表デビュー戦で初ゴールを決めて5-0の圧勝に貢献した。

 大会初戦で韓国と対戦した香港は、圧倒的にボールを支配されながらも失点はFKからの1点と空中戦でのビハインドから最後はナ・サンホ(23)[FC東京]に許した2点にとどめた。しかし日本戦では0-5の大敗を喫した。それだけ日本のゲームプランが“嵌まった”結果と言える。

 そのポイントとして次の3点があげられる。まずは前線からのプレスだ。日本は中国戦と同じ3-4-3から前線の3人、香港戦では小川航基、田川亨介、仲川輝人(27)[横浜F・マリノス]が試合開始から積極的にプレスをかけて主導権を握った。

 田川の所属するFC東京の長谷川健太監督(54)は、前線からのプレスによるショートカウンターを武器にする。

 今シーズン、仲川輝人がブレイクした横浜F・マリノスのアンジェ・ポステコグルー監督(54)も、ブラジル人選手を含めて前線にはハードワークを要求した。

 小川航基も前所属のジュビロ磐田時代から前線でのチェイシングを求められた。このため3人は、所属チームこそ違うものの、前線からのプレスの“勘どころ”は押さえていた。これが試合開始から日本ペースに持ち込めたアドバンテージと言える。

 中国戦での前線3人はというと、上田綺世(21)の所属する鹿島アントラーズは前線からのプレスより、リトリートしてカウンターを伝統とするチームだし、上田自身、交代出場が多かった。

 鈴木武蔵(25)の北海道コンサドーレ札幌はミハイロ・ペトロヴィッチ監督(62)になり、前線からの守備によるカウンターではなくボールポゼッションによる攻撃的なサッカーを標榜する。

 ただ1人、サンフレッチェ広島の森島司(22)だけはカウンタースタイルのチームだが、中国戦の前線3人はプレスが機能したとは言えず、立ち上がりは中国の攻勢に後手に回った。

 それが解消されて、試合の主導権を握り、さらに早い時間帯にゴールを決めて優位に進められたのが第2のポイントだ。日本は前半8分に右CKの流れから最後は左サイドの菅大輝が先制すると、14分には左CKから田川亨介がヘッドで追加点。さらに前半26分には小川航基がペナルティーアークの外から右足シュートを決めて試合の趨勢を決めた。

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