大塚家具がヤマダ電機に身売り 久美子社長の会見に“社員と株主は気の毒”という声
引き続き貢献
言いも言ったり……と呆れるのは大塚家具の関係者だ。
「ここまで会社を駄目にしておいて、久美子社長から反省の弁は全くありませんでした。ヤマダ電機との資本提携を発表したリリース(「ヤマダ電機との資本提携契約の締結、第三者割当による新株式および新株予約権の発行 並びに主要株主、主要株主である筆頭株主及び親会社の移動に関するお知らせ」)を見ると、巷間言われていた通り、現金がなくなっていることがわかります。営業キャッシュ・フローは来年2月には1億4800万円になる計算で、翌月には資金が不足する可能性があるとまで書いてある。もはや倒産か身売りしかなかったんです。だからこそ、大塚家具の社員や株主たちは、久美子社長はここまで経営を悪化させた責任を取り、辞めざるを得ない、辞めるべきと、誰もが思っていたはずです。会見翌日の新聞を見てもそれがよくわかります」
13日付の新聞各紙の見出しは以下の通り。
●「大塚家具、曲折の末 路線転換が裏目、資金繰り難航 久美子社長は続投 ヤマダ電機子会社に」(朝日新聞)
●「大塚家具 傘下入りで再生図る ヤマダ子会社に 久美子社長は続投」(読売新聞)
●「大塚家具を子会社化 ヤマダ電機 大塚社長は続投」(産経新聞)
●「大塚家具、ヤマダ子会社に 業績低迷、自力再建断念 久美子社長、続投表明」(毎日新聞)
揃いも揃って「続投」の文字が並んでいる。
「“続投”がニュースになっていますね。質疑応答でも、『社長を続けるのか』『社長にとどまる理由は何か』などと質問が飛んでいましたが、のれんに腕押しでした。久美子社長は『引き続き頑張って貢献していきたい』と答えていました。まったく堪えていないどころか、これまで貢献してきたつもりのようです。自分だけが生き残れればいいという思いが透けて見える。大塚家具の株主はもちろん、株主でない人も、この会見を見て応援しようと思う人はいないのではないでしょうか。それが大塚家具のイメージの悪化、客離れにつながった最大の原因だと思います」(同・関係者)
とはいえ、年商1兆6000億円(19年3月期)をほこるヤマダ電機の傘下となれば、さすがの大塚家具も変わるのではないか。
「確かにヤマダ電機は大きい会社です。しかし、前期の純利益は146億9200万円です。そこに赤字30億円の子会社は、けっこうなお荷物だと思いますよ」(同・関係者)
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