松井玲奈、市川紗椰…鉄道アイドル第二世代の台頭 この10年でマニアの世界も激変
「私よりも詳しい人はたくさんいるのに、選んでいただいて光栄です」
12月2日、東京・港区六本木で特別展「天空ノ鉄道物語」のオープニングセレモニーにお笑い芸人の中川家礼二と共に登壇した元SKE48の松井玲奈は、そう口にした。中川と松井は、芸能界でも鉄道好きとして知られる。愛知県出身の松井は、出身地を走る東海道新幹線が大のお気に入り。
女性が鉄道好き!? と思うなかれ。いまや男子顔負けの鉄道好き女子は少なくない。いや、女性の鉄道ファンは昔からいた。ただ、その存在が注目されることがなかった。
女性の鉄道ファンが脚光を浴びるようになったのは、2008年前後からだ。女性の鉄道ファンを意味する“鉄子”が流行語大賞にノミネートされ、それに伴って芸能界でも鉄道が好きな女性タレントが注目されるようになる。
知識偏重になりがちな鉄道マニアの世界は、男子偏重の傾向にある。しかし、鉄子が大きくクローズアップされたことで、ライトな鉄道ファンが新規参入できる素地が生まれた。鉄道事業者や旅行代理店などは、そうしたマーケットを開拓するべく鉄道を楽しむ旅行商品を販売。にわかに、鉄道ビジネスは沸騰した。
「鉄道が好き」と公言する女性芸能人は、鉄道アイドルと呼ばれた。当時のブームを牽引した鉄道アイドルは、主に豊岡真澄・木村裕子・斉藤雪乃・伊藤桃の4人。世間的には、まだ鉄道アイドルという存在が広く認知されていなかったこともあり、メディアや鉄道会社も彼女らの扱いがわからず、それゆえに活躍できる場は限定的だった。
鉄道好き女子が世間から認知されるようになるにつれ、鉄道アイドルが活躍する場は広がっていく。結果的に、鉄道アイドルは新たな鉄道市場を切り開くことにつながった。
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