国民はうんざりの野党合流 立民「枝野幸男」の動機が”不純”と言われる理由
「師走」の語源は、僧侶や教師らが走り回わらなければならないほど忙しくなる時期というのが通説らしいが、永田町のセンセイたちもほかでもない。野党の国会議員たちが一緒になるの離れるの、と奔走するのは、年の瀬恒例の風景である。はたして令和初の暮れも、野党第一党たる立憲民主党の枝野幸男代表が火をつけた「合流」話で騒がしいが、その心はやはり理屈もへったくれもないようで…。
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春でもないのに、野党が寝ても覚めても「サクラ、サクラ…」と大合唱していた臨時国会の幕が閉じた。枝野氏が野党統一会派を組む国民民主党や社民党などに政党合流を呼びかけたのは、閉会直前の12月6日のことだった。
「(国会の)会派をともにする皆さんには十分に理念、政策を共有していただいている。より強力に安倍晋三政権と対峙するため、幅広く立憲民主党とともに行動していただきたいと思うに至った」
かくして、木枯らしに耐える永田町がいつもながらの師走に入った。政党交付金の半分は1月1日現在の議員数に応じて配分されるため、年末にそれをにらんだ離合集散が起きやすいのは事実である。
しかしながら唐突感は拭えない。枝野氏といえば、2017年秋に立憲が結党されてから「永田町の数合わせにはくみしない」と政党間の合流に否定的な立場をとり続けていたからだ。
枝野氏が「変節」した背景には何があるのか。全国紙政治部記者が解説する。
「立憲は7月の参院選で獲得議席が想定を下回るなど、結党当初の勢いに陰りが見え始め、自身の存在感も薄れてきている。衆院議員の任期は10月で折り返しを迎え、次期衆院選はいつあってもおかしくない。そこで打って出た枝野氏は、合流による野党再編を主導し、衆参両院で180人規模に及ぶ『大野党』のトップに君臨することにしたのだ」
この記者によれば、合流の最大の標的とする国民民主も支持率が1%前後の低空飛行から抜け出せず、若手・中堅から立憲との合流を求める声が上がり始めていることが、枝野氏にとっては渡りに船となっているようだ。
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