ヴィッセル神戸「チーム総得点リーグ2位」なのに10位のワケ

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 年の瀬、Jリーグもいよいよ最終節を迎える。

 優勝は横浜FMとFC東京に絞られ、J2陥落の2チームも決まった。そんななか、ヴィッセル神戸の珍記録が話題になっている。

 神戸といえば、三木谷浩史オーナーの財力でかき集めた、ポドルスキやイニエスタ、ビジャといったスター軍団が有名だ。彼らのおかげでチーム総得点は57点。横浜FMに次いでリーグ2位なのだが、

「失点が実に58。ワースト3位なんです」

 とサッカーライターが指摘する。

 これではまるで“穴の開いたバケツ”である。結果、チームは13勝15敗5分。順位は10位と中途半端なものになっている。

 もちろん守備陣も補強してはいる。バルセロナからベルギー代表のDFを獲得したし、元日本代表DF酒井高徳(ごうとく)も加入した。それでも失点が多いのはなぜか。

「現代のサッカーは10人で守りますが、神戸は“スター”たちが守りをやらないので、7人で守っているんです。当然、攻める側に余裕が生まれますし、守る側は疲弊してしまいます」

 MFのイニエスタもバルセロナにいた頃は守備をしていたというが、

「それはメッシという絶対的ストライカーがいたから。今のイニエスタに、“走れ”“守れ”なんて誰も言えません。三木谷さんですら言えないでしょう」

 他のJクラブを見回すと、

「現在15得点でランキング1位タイの横浜FMのFWマルコスは、相手がボールを持っているときも追いかけてプレッシャーを掛けています。彼に限らず、上位チームの外国人選手たちはよく走ってますが……」

 神戸は、そうならない。

「オーナーの意向でスター選手ばかりを集めると起こりがちなんですよね」

 どこぞのプロ野球チームと似た臭いがするなあ。

週刊新潮 2019年12月12日号掲載

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