「金髪」にしたら男性からの迷惑行為が激減した件

  • ブックマーク

Twitterで不美人呼ばわりした人へ

 先日、Twitterでエゴサ中「初めて姫野桂の動画を見たけど美人じゃなかった。白石麻衣ちゃんの写真を見た後だったからかな」という内容のツイートを見つけた。なぜだか頭に来てしまい、そりゃ私はライターであり、容姿をウリにするようなタレントではないから当たり前だと引用リツイートで反論した。アイドルの中でも綺麗系の白石麻衣さんと比べること自体もナンセンスだ。このツイートに関し、動画ではなく生の私をイベントなどで見たことのある人たちからは、ありがたいことに擁護のツイートが相次いだ。

 私は自分の顔面レベルが特別低いとは思っていないが、芸能界デビューができるほど可愛いとも思っていない。が、一般人レベルだと整っている部類らしいとここ数年でわかった。それは、美人だと言ってくれる人が増えたり、本を出版した際の広告で書影よりも私の写真の方を大きく使われたこと(これはちょっと複雑な思いだった)、またこの連載でもメイクさん付きの撮影が行われたことで、ますますそう思うようになった。

 ルッキズム問題を提唱している女性の中には、元から顔の作りの良いモデルやタレントもいるため、少し説得力に欠ける部分がある。そりゃ、芸能界デビューの経験のある人は一般人より容姿が良くて当然だ。

 Twitterで美人でないとジャッジされたのと、ストレスで肌荒れがひどくなったことから悪あがきとわかってはいるが、毎日朝晩2回、フェイスパックを怠らないようになった。これは綺麗になるための努力であり、気分も上がるため、私自身の美に関する意識を上げる良い機会になったと感じている。

 たまに、「絶対モデルさんだろうな」と思うような高身長で服のセンスも良い美女が街を歩いているのを見かける。職業柄だろうが、堂々とした独特なオーラを振りまいていて、それが近寄りがたさも醸し出している。あそこまでいければ迷惑行為を行う方もひるんでしまうだろう。

 今、私は銀髪を気に入っている。けれど、外野の雑音が入り込んできて私の容姿や格好をジャッジして邪魔をする。銀髪が気に入っているからこそ、もっと自分の個を大切にしたい。最終的には「ルッキズム」という言葉が流行らなくなるまで外見によるジャッジやそれに伴う迷惑行為がなくなってほしい。ブスだと思ってもいいけど口に出したりネタにして傷つけたりしないでほしい。

 しかし、私も仏のような心の持ち主とは言えないので、あまり顔が整っていない人を見たとき「この人は美人ではないな」と思うことはある。人の好みはそれぞれなので、美人でないと思うことは自由。しかし、名指しで口に出して人を生きづらくさせる外野はくたばれ!

 バックナンバーはこちら https://www.dailyshincho.jp/spe/himeno/

姫野桂(ひめの けい)
宮崎県宮崎市出身。1987年生まれ。日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをして編集業務を学ぶ。現在は週刊誌やWebで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。著書に『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)、『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)。ツイッター:@himeno_kei

2019年12月13日掲載

前へ 1 2 3 4 次へ

[4/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。